この記事では「金のなる木」について解説する。「金のなる木」は実は意味が2種類あって、それぞれ大きく違う。特色を踏まえつつ注意点も覚えておかないと、上手く使えない言い回しです。元建築系企業社員、現言葉大好きライターのsasaiを呼んです。一緒に「金のなる木」の意味や使い方、類義語などを見ていきます。

ライター/sasai

元会社員の現役フリーライター。言葉が好きで文章が好き。読むのも書くのも大好きで、海外小説からビジネス書まで何でも読む本の虫。こだわりをもって言葉の解説をしていく。

「金のなる木」には2種類の意味がある?

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「金のなる木」という言葉がありますが、この言い回しには実は2種類の意味があります。どちらかが間違っているというわけではなく、双方正しい意味となるため、両方押さえておかなければ、いざという時に適切な読み取りができません。意味そのものは難しいわけではないため、きちんと学習すればポイントを掴むのは簡単です。

慣用句としての「金のなる木」

慣用句としての「金のなる木」の意味は以下の通りです。

1.次々に金銭を生み出す財源。

出典:goo辞書「金のなる木 意味」

「〇〇のなる木」という言葉は、通常頭に果実などの名前が入り、木が成長することで実ります。ここに「金」を入れることで、果実のように金を生み出し実らせているような存在であることを示しているのです。

もちろん、本当にお金がなる木などはこの世に存在していません。あくまで、「お金を生み出し続ける存在」という意味を持った比喩的表現の慣用句です。

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本当にあるの?植物の「金のなる木」

「金のなる木」の2つめの意味は以下の通りです。

2.フチベニベンケイのこと。葉が円形で硬貨に似ることからともいう。

出典:goo辞書「金のなる木 意味」

どういうこと?と思われるかもしれませんが、実は「金のなる木」という名前の植物が本当にあるのです。もちろん名前だけであり、本当にお金が出てくるわけではありませんが、そういう名前で実際に呼ばれています。上記の引用にある「フチベニベンケイ」が正式な名前であり、「金のなる木」はいわば通称ですが、どちらかというと「金のなる木」という言い方の方が一般的に使用されている名前です。

多肉植物であるため葉に厚みがあり、円形ということもあって硬貨によく似た見た目の葉をつけます。英語でも同様に「マネーツリー」と呼ばれているほどです。

「金のなる木」の使い方

「金のなる木」の使い方は以下の通りです。

1.あのシステムは今やわが社にとって「金のなる木」だ。
2.彼の発案した商品は「金のなる木」になる可能性があると思う。
3.そうそう簡単に「金のなる木」になるようなコンテンツは作れないよ。

上記は全て植物ではなく、慣用句としての「金のなる木」の使い方です。いずれも「継続的に利益を生み出し続ける」という意味になります。ビジネスの専門用語というわけではありませんが、言葉の性質上やはりビジネスでの出番が多い言葉です。

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「金のなる木」の重要ポイント

「金のなる木」という言葉は、意味を学習するだけであればそれほど難しくはありません。しかし、実際に読み書きしたり自分で使おうとする際には、いくつか注意しなければならない点があります。この注意点を知らないで使用してしまうと、場合によってはトラブルに結びつくため、きちんと押さえましょう。

「金のなる木」の持つ価値とは?

「金のなる木」は、「利益を生み出し続けるもの」という意味です。つまり、「金」を生み出しているのであって、「金」そのものではありません。「金」を生み出すからこそ価値のあるものとされているのが「金のなる木」であって、もし何らかの理由で利益を生み出すことができなくなった場合、それはもう「金のなる木」ではなくなってしまいます。

それ自体に価値があるものではない、ということを覚えておきましょう。

実は悪印象?「金のなる木」の使いどころ

「金のなる木」という言葉は、「利益を継続的に生み出し続けるもの」という意味です。上記のトピックの通り、利益を生み出すから価値があるのであって、「金」を生み出せなくなった場合それはただの木であり、無価値ということにます。

そのため、「金のなる木」という言葉は対象に向かって「利益を出す以外価値がない」と言っているのと同様です。商品や商売道具などは元々利益を生み出すために作られているため、「金のなる木」と表現してもほぼ角が立ちません。しかし、人が丹精込めて作り上げたものや、芸能人など人間そのものが資本である場合、「金のなる木」などと表現するのは非常に無礼なことに当たります。注意してください。

文脈に注意!「金のなる木」違いに気を付けて

「金のなる木」には2つの意味がありますが、もしも相手が「金のなる木」という言葉を使用した場合、その相手が2つの意味を両方押さえているとは限りません。どちらか片方しか知らないで使用している場合もあるため、「金のなる木」という言葉が出てきた場合は、どちらの意味で使用しているのかきちんと区別しましょう。

「金のなる木」の類義語には何がある?

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「金のなる木」には類義語があります。「金のなる木」には意味が2つありますが、どちらにも類義語が存在しているのです。とはいえ、1つは言い回しであり1つは固有名詞であるため、それほど多くはありません。覚えるのも簡単であるため、この機会に押さえておきましょう。

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利益を表す「金の卵を生むガチョウ/ドル箱」

「金の卵を生むガチョウ」は、文字通り「金の卵(利益)」を生み出すガチョウという比喩表現です。童話が語源になっている言葉ですが、慣用句として使用される場合はたびたびガチョウではなくニワトリに変化します。これは日本においてはガチョウという鳥自体にあまりなじみがなく、ニワトリの方が親しみやすいからでしょう。

また、やや意味が変わる場合がありますが「ドル箱」も同様の意味で使用されます。「ドルを入れる箱」ということで、転じて利益を秘めたものというニュアンスの言葉です。箱というものは何かを生み出すものではないため、「ドル箱」という字面だけでは「利益を生み出す」というニュアンスが消えているように見えますが、実際に使用される際は生み出すというニュアンスも含まれています。

同じく通称である「成金草」

植物の方の「金のなる木」の類義語は「成金草」です。文字通り「成金の草」ということであり、「金がなる」というよりは「持ち主が金持ちである」というニュアンスに変わります。これもまた通称であり、正式名称ではありません。

ビジネスの世界に文学のエッセンスを入れてくれる「金のなる木」

「金のなる木」という慣用句は、ビジネスの世界でよく使用される言葉です。しかし反面、ビジネスらしい具体的なイメージの言葉ではなく、どちらかというと文学的で抽象的な表現になります。このような相反する2つの世界を結び付けられる言葉は、ここぞという時に使えるととてもスマートです。乱用に注意しつつ、付き合っていきましょう。

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国語言葉の意味

「金のなる木」の意味は2種類ある?使い方のポイントや類義語も言葉大好きライターがわかりやすく解説!

この記事では「金のなる木」について解説する。「金のなる木」は実は意味が2種類あって、それぞれ大きく違う。特色を踏まえつつ注意点も覚えておかないと、上手く使えない言い回しです。元建築系企業社員、現言葉大好きライターのsasaiを呼んです。一緒に「金のなる木」の意味や使い方、類義語などを見ていきます。

ライター/sasai

元会社員の現役フリーライター。言葉が好きで文章が好き。読むのも書くのも大好きで、海外小説からビジネス書まで何でも読む本の虫。こだわりをもって言葉の解説をしていく。

「金のなる木」には2種類の意味がある?

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「金のなる木」という言葉がありますが、この言い回しには実は2種類の意味があります。どちらかが間違っているというわけではなく、双方正しい意味となるため、両方押さえておかなければ、いざという時に適切な読み取りができません。意味そのものは難しいわけではないため、きちんと学習すればポイントを掴むのは簡単です。

慣用句としての「金のなる木」

慣用句としての「金のなる木」の意味は以下の通りです。

1.次々に金銭を生み出す財源。

出典:goo辞書「金のなる木 意味」

「〇〇のなる木」という言葉は、通常頭に果実などの名前が入り、木が成長することで実ります。ここに「金」を入れることで、果実のように金を生み出し実らせているような存在であることを示しているのです。

もちろん、本当にお金がなる木などはこの世に存在していません。あくまで、「お金を生み出し続ける存在」という意味を持った比喩的表現の慣用句です。

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