端的に言えば、同工異曲の意味は「似たり寄ったり」です。語源は韓愈(かんゆ)の『進学解(しんがくかい)』ですが、現在とは少し意味あいが異なっている。どんなニュアンスで使われているか知っているか?
日本放送作家協会会員でWebライターのユーリを呼んです。「同工異曲」の意味や語源をチェックし、例文や類義語などを見ていきます。
ライター/ユーリ
日本放送作家協会会員。シナリオ、エッセイをたしなむWebライター。時代によって変化する言葉の面白さ、奥深さをやさしく解説する。
「同工異曲」の意味
まず、国語辞典で「同工異曲」の意味をチェックしましょう。
音楽や詩文などで、その技量が同じでも味わいや趣がまちまちであること。転じて、見た目は異なるが、内容は似たり寄ったりであること。▽「工」は巧みさ・技量。「異曲同工いきょくどうこう」ともいう。
出典:新明解四字熟語辞典(三省堂)「同工異曲」
「工」には「巧みな技」という意味があります。「曲」は「作曲」や「歌曲」の「曲」なので、「音楽作品」という意味があることは想像がつきますね。しかしそれだけでなく「詩」「脚本」の意味もあるのです。
「同工異曲」とは「音楽を奏でる技巧や詩を作る手法は同じでも、趣が異なること」、またそこから転じて「外見は違っても内容は似たり寄ったり」という意味になりました。「異曲同工(いきょくどうこう)」も同じ意味ですよ。
「同工異曲」の語源は『進学解』!
「同工異曲」の語源は、唐の時代の文人で政治家でもある韓愈(かんゆ)の『進学解(しんがくかい)』です。
下逮二荘騒、太史所レ録、子雲相如、同工異曲一
出典:『進学解』
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