国語言葉の意味

一つの行動で二つの得!「一挙両得」の意味や類義語などを院卒日本語教師がわかりやすく解説

よぉ、桜木建二だ。俺は受験勉強は「一挙両得」だと思ってるんだよな。もちろん勉強をすることで学力や知識が身につく。ただ、それだけじゃない。目標に向かって努力する力や我慢する忍耐力も受験勉強で身に付けられるんだよな。

ところで、「一挙両得」の意味は理解しているよな…?この「一挙両得」は「一つの行動によって同時に二つの利益を得ること」という意味の四字熟語だ。

今回はその「一挙両得」について、院卒日本語教師の”むかいひろき”に解説してもらうぞ。

解説/桜木建二

「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/むかいひろき

ロシアの大学で2年間働き、日本で大学院修士課程修了の日本語教師。その経験を武器に「言葉」について分かりやすく解説していく。

「一挙両得」の意味や語源は?

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「一挙両得」という言葉、日常会話ではあまり使わないかもしれません。ただ、覚えておくと便利な言葉ですよ。まずは、その「一挙両得」の意味と語源を確認していきましょう。

「一挙両得」の意味は「一つの行動によって同時に二つの利益を得ること」

まず最初に「一挙両得」の辞書での意味を確認していきましょう。「一挙両得」は次のような意味が国語辞典に掲載されています。

一つの行動によって同時に二つの利益を得ること。一石二鳥。

出典:明鏡国語辞典 第二版(大修館書店)「いっきょ-りょうとく【一挙両得】ーリャウトク」

「一挙両得」は、「一つの行動によって同時に二つの利益を得ること」という意味の四字熟語です。ある一つの行動によって二つの成果が得られたり、二つの良いことがあったりした場合に使用される表現ですね。類義語のコーナーで紹介する「一石二鳥」とともに、よく使用される表現です。

「一挙両得」の語源は古代中国にあり!

この「一挙両得」の語源は古代中国にあります。「一挙両得」は古代中国の『晋書』の中に登場する故事がきっかけだと考えらていますね。

その故事は、晋の国の束晳(そくせき)という男が、国の農業振興について、「辺地の広大な土地を開拓した後に、また現在の地に戻ってくることを許可すれば、いずれの農地も充実するから一挙両得になる」と建議した…というものです。これが「一挙両得」の大元となった使用例ではないかと考えられています。

\次のページで「「一挙両得」の使い方を例文とともに確認!」を解説!/

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