
【物理】エステで良く聞く「キャビテーション」って何のこと?理系ライターがわかりやすく解説

そんな、ポンプ最大の敵の1つと言えるキャビテーションについて理系ライターのR175と解説していくぞ。

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/R175
関西のとある理系国立大出身。エンジニアの経験があり、身近な現象と理科の教科書の内容をむずびつけるのが趣味。教科書の内容をかみ砕いて説明していく。
1.液体の中の気泡

液体をポンプで運ぼうとすると、しばしば気泡が発生してしまうもの。気泡だらけの液体を圧縮させるとどうなるか?液体はほとんど縮まないので、気体である「気泡」にしわ寄せがいき、気泡ばかりがぎゅっと縮みます。その気泡を突然破裂させたら?すごい衝撃が起きそうですね。
この「気泡」の発生と消滅がキャビテーション現象です。では、そもそもどうやって「気泡」が発生するのか?またどうやって消滅するのか?詳しく見ていきましょう。
2.気泡発生原因〜圧力変化〜
そもそも、なぜ移送中の液体に気泡が発生するのか?別に気泡を混ぜているわけでもありませんね。その理由の1つめは圧力変動。
流体が移動するためには?
液体は(気体もですが)圧力が高い方から低い方へ移動する性質があります。この性質を利用して液体を移動させるのがポンプ。
ポンプの仕組みと圧力低下

image by Study-Z編集部
意図的に圧力を上げたり下げたりして、流体に圧力差を与えることで運ぶのがポンプの役目。
例えばスクリューをクルクル回し、左側から吸って右側に吐き出すポンプの場合を見てみましょう。左側は圧力が低くなるからどんどん液体が集まってきて、逆に右側は圧力が高くなり、液体が出て行こうとします。左側部分には入口側からどんどん液体が集まってきて、右側部分からは出口側の方にどんどん液体が逃げていこうとするので液体を運べるわけです。液体を運ぶために圧力変動が必要ですが、それが気泡発生の要因にもなっています。
配管条件と圧力低下

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