
「道聴塗説」
もう一つの類義語に、「道聴塗説(どうちょうとせつ)」があります。こちらも、意味は「根拠のない受け売り」や「いい加減なうわさ話」のことです。「道に聞きて塗(みち)に説く」と読み下し、「道聴」は道で聴くこと、「塗説」は道で話し伝えることを表します。
「流言蜚語」と違う点は、こちらも相手を貶める目的がないことです。どちらかというと、聞いたことをそのまま得意げに話すというニュアンスで、悪意よりも調子のよい感じが当てはまります。
「流言蜚語」の対義語は?
次は、「流言蜚語」の対義語についての説明です。対義語の場合は、もとの四字熟語のどの意味合いの部分について対になっているかに注目して見ていきましょう。
「他言無用」
「流言蜚語」の対義語には、「他言無用(たごんむよう)」があります。意味は、「ある話を他人に漏らしてはいけないということ」です。「他言」は他人に漏らすこと、「無用」はしてはならないことを表しています。
「流言蜚語」がうわさが広まっていくのに対し、「他言無用」のほうは他人に話さないという意味で反対の意味になっていますね。人に聞かれては困るようなことについて、「他言無用である」という使い方をすることが多くなっています。
「真実無妄」
もう一つの対義語には、「真実無妄(しんじつむもう)」があります。意味のほうは、「間違いや嘘ではなく本当のこと」です。「真実」は事実や正しいこと、「無妄」は騙したり偽りのないことを表しています。
「流言蜚語」が真偽のわからなことが広まっていくようすを表すのに対し、「真実無妄」は嘘偽りのない正しいことやようすという意味です。真偽不明と正しいとはっきりしている部分で反対の意味になっていますよ。
「false rumour」
「流言蜚語」の英訳としては、「false rumour」があります。直訳すると「間違ったうわさ」となるので、もとの「流言蜚語」とはほぼ同じ意味で使うことができますよ。ただ、相手を貶める目的でのものかどうかの意味は含まれていないので、この点は使う上で注意が必要です。
ほかには、「groundless rumour」や「canard」という表現もあります。「ground」が地面や土地という意味なので、「groundless」は「地上ではない」という意味から「この世のことではない、根も葉もない」という意味として使われていますよ。
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