
「生殺与奪」の使い方・例文
「生殺与奪」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。
生殺与奪の権を他人に握らせるなと言った剣士の迫力に何も言い返すことができず、彼はただうずくまって聞いているしかなかった。
16~18世紀に西ヨーロッパ諸国が近代国家へと移行する過程で、王は生殺与奪の権力を握るほど絶対的な存在であったとされる。
ウチは現社長が一代で興した会社で、そのワンマンぶりはまさに生殺与奪の権を一手に引き受けているといっても過言ではなかろう。
「生殺与奪」が表すのは、何といってもその絶対的な権力者ぶりです。したがって、この四字熟語を目にしたとき誰がどういった組織で権力・権限を握っているのかを押さえておくのがいいでしょう。
また、近年では稀ですが、文字通り「生き死に」の話をしているのか、それは例えでそのくらいの権力を持っているのかをきちんと区別しておくことも大切です。最初の例文では、セリフなのでどちらとも言えないところですが、「剣士」とあるので文字通りの「生死」の方だと考えておきます。
二つめの例文では、王が国家の全権力を握っている様子が分かるでしょう。こちらも、時代を考えれば文字通りの意味でも問題ないでしょう。最後の例文では、会社の社長が絶大な権力を持っていることがうかがえます。
この場合の「生殺」は文字通りのものではなく、人事権の話だととらえておきましょう。
「活殺自在」
「活殺自在(かっさつじざい)」は、「生殺与奪」の類義語としてはいちばん分かりやすいのではないでしょうか。前半部の「活殺」は、まさに「活かすも殺すも」といった意味を表します。
後半部の「自在」は「自由自在」のことだととらえてもらって差し支えありません。これら二つを結び付ければ、「活かすも殺すも自由自在」=「そのくらい大きな権力がある」になるというわけです。
こちらの四字熟語も「生殺与奪」と同様に、「権」や「権力」という言葉と結びつきやすいということも申し添えておきます。
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