
フレミングの法則の暗記は不要「電磁力」の解釈を理系ライターがわかりやすく解説
3.フレミング左手の法則
タイトルで「暗記不要」とうたっておきながら、何だかんだ便利なため解説いたします。ただし、フレミング左手の法則暗記にとどまってしまうとイマイチ物理が面白くなくなってしまうから注意が必要。
電・磁・力=中指・人差し指・親指

image by Study-Z編集部
左手を準備してください。中指、人差し指、親指をイラストのようにお互い垂直になるように立てましょう。このときの中指、人差し指、親指の向きがそれぞれ、電流、磁界、電磁力の向き。
後述のような理由から、こういう定義にするのが便利なようです。
なぜその向きに定義したのか
左手を使えば、電磁力の問題は完璧。でもここで終わってはもったいない。なぜ、電流、磁界、電磁力をフレミングの左手の法則のような向きに定義したのでしょうか。
それは、数学の定義にリンクしているからです。どうせ物理で定義を作るなら、数学のルールに則った方が便利。
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4.ベクトル

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電磁力の向きの定義はベクトルが大きく関係しています。ベクトルとは、大きさと方向どちらも定義したいときに使う概念。大きさを矢印の長さで表現、向きを矢印の向きで表現。
例えば、大きさが1でまっすぐ上向きならイラストAのように表現。大きさ2で右向きの場合はBといった具合。
5.外積と右ねじ

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上記の矢印同士の掛け算を定義するのが「外積」という概念。単に数字同士の掛け算のみならず、向きも一緒に定義しているのが特徴。
例えば、大きさが1で前向きの矢印Aと、大きさが2で右向きの矢印Bを掛け算(A x B)したらどんな矢印になるか。まず大きさですが、元の矢印同士が垂直なので元の矢印の大きさ同士を掛け算すればOK。1×2=2です。垂直ではない場合についてはここでは割愛します。
さて、問題は向き。A x Bの向きは、矢印Aを矢印Bの方に回転させた時に「右ねじ」が進む法の向きになります。ベクトル同士の掛け算(外積)では掛ける順番も大切。B x Aなら、矢印Bを矢印Aの方に回すので、そのときに「右ねじ」が進む方向はA x Bの時と反対になっちゃいます。以上これが外積(方向を持つモノ同士の掛け算)の概念。
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