この記事では「オブラートに包む」について解説する。

端的に言えば「オブラートに包む」の意味は「遠回しに言う」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
大学生ライターTakaosushiを呼んです。一緒に「オブラートに包む」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/Takaosushi

英語科に通う大学3年生。英語だけでなく日本語の四字熟語や慣用句も勉強中。

「オブラートに包む」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「オブラートに包む」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。日常会話の中でも耳にするこの慣用句ですが最近では死語になってきているという意見もありますね。筆者は大学生なのですがまだまだこの表現はよく耳にします。ただ、オブラートはよく駄菓子などの食べ物に使われる印象があるので年代によって意味が伝わったり伝わらなかったりするのかもしれませんね。あなたの身の回りではどうでしょうか?

「オブラートに包む」の意味は?

「オブラートに包む」には、次のような意味があります。そもそもオブラートが何を意味するのかも確認していきましょう。

1.相手を直接的に刺激するような表現を避け、遠回しな言い方をする。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「オブラートに包む」

1.デンプンなどで薄い膜状に作ったもの。粉薬などを包んで飲む。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「オブラート」

筆者はオブラートというと駄菓子をいるものというイメージが強かったのですがもともとは薬を包む物のようですね。最近では粉薬はゼリーなどで飲みやすくするのが一般的ですが、一昔前はオブラートで包むのが一般的だったようです。ちなみにオブラートは無味無臭で、口の中に少しくっつくような粘着感があります。お菓子にくっついている場合は最初に見た時はオブラート自体が食べれるのかどうかわかりにくいですね。半透明の包み紙のような見た目なので食べられると知った時は筆者も驚きました。

「オブラートに包む」の語源は?

次に「オブラートに包む」の語源を確認しておきましょう。先程確認した通りオブラートは主に粉薬を飲みやすくするためのものです。粉が喉にくっついて飲みにくくなるのを防ぐというよりは薬の苦味を抑えて飲みやすくするためのもので、「オブラートに包む」はその効果が語源になっています。

誰かに対して意見をしたいがその意見をそのままストレートに伝えてしまうと相手を傷つけてしまう可能性がある、というシチュエーションはよくありますね。例えば相手のファッションが場所に合っていないだとか、相手にやめた方がいい癖があるだとか、素直に伝えてしまうと相手が気分を悪くしてしまいかねない場合です。

そんなときの意見を苦い薬に例えているのが慣用句「オブラートに包む」で、この慣用句は「直接的な表現を避けて遠回しに言うこと」「相手を刺激しないようやわらかい表現で言うこと」という意味になります。オブラートで包むことで「きつい意見をやわらげる」ということです。

ちなみにオブラートはもともとオランダ語またはドイツ語で、英語ではありません。日本語の「オブラート」は和製英語で、英語でオブラートとといってもきちんと通じませんので注意が必要です。英語で「オブラート」とほぼ同じ意味で使われるのが記事の後半で紹介する「sugarcoat」になります。

\次のページで「「オブラートに包む」の使い方・例文」を解説!/

「オブラートに包む」の使い方・例文

「オブラートに包む」の使用例を見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.いくら親しい友人との会話であってもときにはオブラートに包んで発言することが大切だ。
2.嫌いな相手だからといってズバズバものを言いすぎだ。もう少しオブラートに包んだ方がいい。
3.問題点を指摘する際はオブラートに包まず素直に指摘した方が確実だろう。

このように「オブラートに包む」は良くも悪くも「物事の本質をぼかす」という意味があります。失敗すると意図していない形で受け取られてしまったり、誤解を招いてしまうことも。もちろん状況によって素直に伝えるべきときと、オブラートに包んだ方がいいときがありますから、その判断が大事ですね!

「オブラートに包む」の類義語は?違いは?

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次に「オブラートに包む」の類義語を紹介していきます。

「遠まわしに言う」

「オブラートに包む」の意味である「遠まわしに言う」(とおまわしにいう)は類義語であるといえます。「婉曲的に言う」も同義です。個人差はもちろんありますが、日本人は遠まわしに言う民族だとよく言われますね。相手の気持ちを考えているという点ではいいのですが、遠まわしすぎるあまり「結局何が言いたいの?」と思われてしまうのがデメリットでもあります。また、遠まわしに言うと受け取り手の解釈が意図したものと異なってしまう可能性があるというデメリットもありますね。

\次のページで「「言葉を選ぶ」」を解説!/

「言葉を選ぶ」

「言葉を選ぶ」(ことばをえらぶ)も類義語の1つです。「相手の気持ちを考えてその場に適した言葉を使う」という意味で、ポジティブな意味合いで使われます。

「オブラートに包む」の対義語は?

次に「オブラートに包む」の対義語を紹介していきます。

「露骨に」

「露骨」(ろこつ)というのは「感情や本心をむき出しに示す」ことで「あからさまであること」を指します。ネガティブな意味合いで使われることが多く「露骨に態度に出す」などと使われたりする表現です。

「率直に」

「率直に」(そっちょくに)も対義語の1つで「率直」は「飾ったりつくろったりしないこと」という意味です。「ストレートに」と同じ意味ですね。「率直に言うと…」などと使われることが多いです。

「オブラートに包む」の英訳は?

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次に「オブラートに包む」の英語での表現例を紹介していきます。

「sugarcoat」

「sugarcoat」は「糖衣をかける」という意味ですがそこから派生して「体裁をよくする」「(不快なことを)甘美にみせる」という意味も持ちます。「オブラートに包む」と語源や意味もとても似ていますね!ちなみに糖衣とは錠剤を飲みやすくするために外側に施した被膜のことです。そしてこの「sugarcoat」の品詞は動詞ですので覚えておきましょう。

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「beat around the bush」

「beat around the bush」は「遠まわしに探る」「要点を言わない」という意味で、「the bush」は「藪(やぶ)」のことです。「ヤブの周りを叩いて獲物をかりたてる」という意味から派生して「回りくどく言う」という意味になります。例えば「Don't beat around the bush. 」(はっきり言ってよ。)というように使われる表現です。

「オブラートに包む」を使いこなそう

この記事では「オブラートに包む」の意味・使い方・類語などを説明しました。「オブラートに包む」ことは良好な人間関係を築くために必要なことですが、反対に物事をハッキリ言った方がいい場面もあります。注意が必要ですね!

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【慣用句】「オブラートに包む」の意味や使い方は?例文や類語をWebライターがわかりやすく解説!

この記事では「オブラートに包む」について解説する。

端的に言えば「オブラートに包む」の意味は「遠回しに言う」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
大学生ライターTakaosushiを呼んです。一緒に「オブラートに包む」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/Takaosushi

英語科に通う大学3年生。英語だけでなく日本語の四字熟語や慣用句も勉強中。

「オブラートに包む」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「オブラートに包む」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。日常会話の中でも耳にするこの慣用句ですが最近では死語になってきているという意見もありますね。筆者は大学生なのですがまだまだこの表現はよく耳にします。ただ、オブラートはよく駄菓子などの食べ物に使われる印象があるので年代によって意味が伝わったり伝わらなかったりするのかもしれませんね。あなたの身の回りではどうでしょうか?

「オブラートに包む」の意味は?

「オブラートに包む」には、次のような意味があります。そもそもオブラートが何を意味するのかも確認していきましょう。

1.相手を直接的に刺激するような表現を避け、遠回しな言い方をする。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「オブラートに包む」

1.デンプンなどで薄い膜状に作ったもの。粉薬などを包んで飲む。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「オブラート」

筆者はオブラートというと駄菓子をいるものというイメージが強かったのですがもともとは薬を包む物のようですね。最近では粉薬はゼリーなどで飲みやすくするのが一般的ですが、一昔前はオブラートで包むのが一般的だったようです。ちなみにオブラートは無味無臭で、口の中に少しくっつくような粘着感があります。お菓子にくっついている場合は最初に見た時はオブラート自体が食べれるのかどうかわかりにくいですね。半透明の包み紙のような見た目なので食べられると知った時は筆者も驚きました。

「オブラートに包む」の語源は?

次に「オブラートに包む」の語源を確認しておきましょう。先程確認した通りオブラートは主に粉薬を飲みやすくするためのものです。粉が喉にくっついて飲みにくくなるのを防ぐというよりは薬の苦味を抑えて飲みやすくするためのもので、「オブラートに包む」はその効果が語源になっています。

誰かに対して意見をしたいがその意見をそのままストレートに伝えてしまうと相手を傷つけてしまう可能性がある、というシチュエーションはよくありますね。例えば相手のファッションが場所に合っていないだとか、相手にやめた方がいい癖があるだとか、素直に伝えてしまうと相手が気分を悪くしてしまいかねない場合です。

そんなときの意見を苦い薬に例えているのが慣用句「オブラートに包む」で、この慣用句は「直接的な表現を避けて遠回しに言うこと」「相手を刺激しないようやわらかい表現で言うこと」という意味になります。オブラートで包むことで「きつい意見をやわらげる」ということです。

ちなみにオブラートはもともとオランダ語またはドイツ語で、英語ではありません。日本語の「オブラート」は和製英語で、英語でオブラートとといってもきちんと通じませんので注意が必要です。英語で「オブラート」とほぼ同じ意味で使われるのが記事の後半で紹介する「sugarcoat」になります。

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