ダニエル電池って?その仕組みを理系学生ライターが5分でわかりやすく解説
濃淡電池とは?
ダニエル電池は、正極板と負極板に異なる金属を用いています。では、正極板と負極板に同じ金属を用いた場合、どのようになるでしょうか?イオン化傾向や標準電極電位の理論に基づくと、起電力はゼロになるはずですよね。
ですが、正極板と負極板に同じ金属を用いた場合でも、電極間に起電力が生じることがあるのです。実は、正極板が浸っている水溶液と負極板が浸っている水溶液の濃度が異なると、起電力が発生し電池になります。このとき、水溶液の濃度が大きいほうが、正極になりますよ。
このような電池を、濃淡電池といいます。電極間の濃度勾配を起電力に置き換えているのです。ダニエル電池では、イオン化傾向の差によって電位差を作り出しました。
電池の進化
ボルタ電池やダニエル電池といった原始的な電池はもちろん、鉛蓄電池やマンガン乾電池にも電解液が使用されています。電池を持ち運びやすくするために、これらの電解液何かに浸み込ませたり、ゲル状にするといった工夫がなされてきました。ですが、いずれも電解液には、名前の通り「液体」が含まれています。
液体は、寒くなると凍ってしまいますよね。電解液が凍ってしまうと、電池の性能は急激に低下します。実際、スキー場で携帯電話を使うと、バッテリーがすぐにあがってしまうという現象がみられますよ。ですから、寒冷地で電池を使うのは、非常に難しいのです。
そこで、次世代の電池として期待が集まっているのが、「全固体電池」ですよ。全固体電池の電解質は固体であるので、寒冷地でも電解液が凍ってしまう心配が一切ないのです。このようにして、電池の技術は進歩しているのですね。
ダニエル電池の仕組みを学ぼう!
電池について学んでいると、ボルタ電池の次に、ダニエル電池が登場するかと思います。ダニエル電池は、素焼き板(セパレーター)を用いた電池のうち、最も単純な構造をしているのです。ゆえに、初めてセパレーター型の電池の仕組みを学ぶ場合に、適しているのがダニエル電池だと言えます。
ぜひ、この機会にダニエル電池に対する理解を深めてみてください。