ダニエル電池って?その仕組みを理系学生ライターが5分でわかりやすく解説
「ダニエル電池」は、1836年にダニエルによって考案された電池で、長い歴史を持つ。この電池は、ボルタ電池の改良版とも言えるぞ。ボルタ電池と同じで、ダニエル電池の構造は比較的単純です。ゆえに、電池の理解を深めるには、もってこいの教材でしょう。ぜひ、この機会に「ダニエル電池」について学んでくれ。
エネルギー工学、環境工学を専攻している理系学生ライターの通りすがりのぺんぎん船長と一緒に解説していきます。
ライター/通りすがりのペンギン船長
現役理系大学生。エネルギー工学、環境工学を専攻している。これらの学問への興味は人一倍強い。中学時代に、DIYで太陽光発電装置を製作するために、独学で電気工事士第二種という資格を取得してしまうほど熱い思いがある。
電池について
まずは、電池とは一体何なのかを考えてみましょう。電池は、化学エネルギーを電気エネルギーに変換する装置です。最も身近な電池は、マンガン乾電池やアルカリマンガン乾電池ですよね。これらは、家電製品のリモコンや動くおもちゃなどの電源として用いられています。今紹介した乾電池は一度放電すると、使えなくなってしまう電池ですから、一次電池です。
一方、充電することで、繰り返し使用できる二次電池もあります。スマートフォンやノートパソコンのバッテリーに使用されているリチウムイオン電池は、二次電池ですね。
今回紹介するダニエル電池は、これらの電池が誕生する前に考案された原始的な一次電池です。構造が単純なダニエル電池は、電池の基本を学ぶ教材として、頻繁に取りあげられます。この記事では、ダニエル電池の仕組みを深堀りしていきますね。
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ボルタ電池とは?
image by Study-Z編集部
早速、ダニエル電池の解説に移りたいところですが、その前にボルタ電池の仕組みを復習しましょう。ボルタ電池の仕組みを理解していると、ダニエル電池についての学習がスムーズに進むからです。
ボルタ電池は、正極(プラス極)に銅板、負極(マイナス極)に亜鉛板、電解液に希硫酸を用いた電池ですよね。負極(マイナス極)では、亜鉛板がイオン化し、電子を放出します。その電子は豆電球などの抵抗負荷を通り、正極(プラス極)へと至るのです。正極(プラス極)にたどり着いた電子は、希硫酸の水素イオンと反応して、水素ガスを発生させます。
これがボルタ電池の仕組みです。ボルタ電池の起電力は約1.1V(ボルト)ですが、通電後すぐに低下します。この現象を、分極と言いましたよね。
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