
「菟糸燕麦(としえんばく)」:外見と実質が釣り合わない
「菟糸(とし)」はネナシカズラという植物のこと。「燕麦(えんばく)」とは、イネ科カラスムギ属の植物でオーツ麦とも呼ばれます。オートミールの原料ですね。「菟糸」と「燕麦」には「糸」と「麦」という字がありますが、実際には「糸」でも「麦」でもありません。そこから「菟糸燕麦」は「外見と実質が釣り合わない」という意味になりました。
「名存実亡(めいそんじつぼう)」:実質がなくなる
「名存実亡」は「名前だけが残り、実質がなくなる」ことです。書き下し分は「名存し実亡ぶ」で「なそんしじつほろぶ」と読みます。韓愈(かんゆ)の「処州孔子廟碑(しょしゅうこうしびょうひ)」に由来する言葉です。
「有名無実」の反対語
「有名無実」と反対の意味あいの言葉には、どのような言葉があるのでしょうか。
「名実一体(めいじついったい)」:評判と実際が一致
「名」には「名前」以外に「名声」「評判」という意味があります。また「実」には「実質」「実際」「中身が備わる」などの意味がありますよ。「名実一体」は「名前と実質」「名声と功績」など「評判と実際が一致している」という意味です。
「名詮自性(みょうせんじしょう)」:名はその物の本性を表す
「名詮自性」は仏教用語です。「詮」は「物事の道理をつき詰める」という意味があり、「詮議」「詮索」といった言葉で使われていますが、「そなわる」「そなえる」という意味も持っています。「自性」は「本来備えている真の性質」という意味。「名詮自性」は「物の名前はその物自体の本質を表す」という意味です。
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