

「奇を衒う」の読み方は「きをてらう」だ。インパクトのある言葉だが、「てらう」は耳馴染みのない動詞で意味までなかなか頭に入ってこないだろう。「奇を衒う」とは、ずばり「相手の注意を引くために、わざと普通ではない言動をすること」だ。
正しく自信を持って使えるように、「奇を衒う」の使い方や言葉の意味について、現役日本語教師のスヨメナと一緒に解説していくぞ。

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。
ライター/スヨメナ
現役日本語教師。対面、オンライン問わず、世界中の国の人に日本語を教えている。ブログでも相手の立場に立って考え、わかりやすく発信していく。
「奇を衒う」の意味は「わざと普通ではない言動をすること」
まずは辞書で意味を確認してみましょう。
わざと変わった事をして、他人の注意をひきつけようとする。
出典:精選版 日本国語大辞典 「奇を衒う」
「奇を衒う(きをてらう)」の「奇」は「奇妙」や「奇異」などの熟語で使われています。意味は”普通と違っていること”。「衒う」は、今回はじめて耳にしたという人も少なくないでしょう。動詞「衒う」は、”自分の才能や知識をわざと見せびらかす”という意味合いがあります。
このことから「奇を衒う」は、”相手の注意を引くために、故意に変わったことをする”の意味になるのです。人に使うときは、少しネガティブな表現になります。

「奇を衒う」の意味は、”他の人に関心をもってもらうために、わざと風変わりなことをする”だ。どうしても目立ちたい気持ちが見えるな。否定形「奇を衒わない」にすることで、”素直である・まっすぐなさま”を表し、ほめ言葉として使えることができるから覚えておくと良いぞ。
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