

端的に言えば孤立無援の意味は「誰にも助けてもらえないこと」だが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
難関高校受験専門の学習塾講師を10年経験したwhite-sugarを呼んだ。一緒に「孤立無援」の意味や例文、類語などを見ていくぞ。

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/white_sugar
文系中心に5教科オールラウンダーとして難関校専門学習塾講師を10年務めた後、引退。開成高校、筑波大学付属駒場高校を筆頭に早慶附属・系属高校など首都圏最難関クラスの高校合格者を多数輩出。
「孤立無援」の意味は?
「孤立無援」には、次のような意味があります。
仲間もなく、助けてくれる者がいないこと。 「 -で戦う」
出典:大辞林 第三版(三省堂)「孤立無援」
〘名〙 仲間がいずに一人ぼっちで、援助する者のいないこと。
※経国美談(1883‐84)〈矢野龍渓〉後「又もや数年前の如き孤立無援の有様に陥り」
出典:精選版 日本国語大辞典(小学館)「孤立無援」
「孤立」とは仲間から引き離され、助けてもらえない状態を、「無援」は助けがないことを意味します。「援助」という言葉がありますので、連想しやすいのではないのでしょうか。「孤立無援」は似たような単語を2つ並べて四字熟語ということになります。
仲間が誰もいなくて一人ぼっちという状態は個人に対して使う場合です。例えば、洪水で避難した被災者たちが工場の屋上に大勢取り残されてしまい、救助がしばらく開始できないような場合も、「孤立無援」を使います。
物理的に取り残され、助けてもらえない状態だけではなく、心理的な状態でも使うことが可能です。例えば、自分の将来の夢を家族全員に反対されてしまったり、学校や職場でいじめにあってしまい、相談相手がいないような場合も同様。
ちなみに「孤立無援」は漢字検定3級のレベル。いつでも手書きできるように用意しておくのが望ましい漢字です。
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