物理学

「流体力学」はどんな学問?理系学生ライターがわかりやすく解説

用語の定義と方程式の意味を考えよう!

用語の定義と方程式の意味を考えよう!

image by Study-Z編集部

新しい用語や方程式を目にしたときは、必ず定義や意味を考えてみましょう。例えば、境界層という言葉の定義を考えてみますね。境界層は、粘性流れにおいて、静止物体近傍の粘性による影響を強く受ける層のことを指します。このとき、あわせて粘性流れの意味も考えてみましょう。粘性流れは、簡単に言うとドロドロとした流体の流れのことです。ただ、実際に存在する流体のほとんどは粘性を持っています

また、言葉を丸覚えするだけでは意味がありません具体例なども考えてみましょう。実際、大気のうち、地表面付近に存在する空気は摩擦の影響を受けやすくなっています。この領域のことを、大気境界層と言うのです。このように定義をきっちり理解し、具体例をあげることができるようになれば、十分でしょう。

方程式の場合は、各項や文字が何を意味しているかを考えるようにします。例えば、ベルヌーイの法則の場合、各項は位置水頭速度水頭圧力水頭と分類できますよ。ベルヌーイの法則は、流体力学におけるエネルギー保存則です。ですから、これらが位置エネルギー運動エネルギー圧力エネルギーに関連する値であることも想像できます。このように、方程式を言葉で表せるようになっていれば、公式を理解できていると言ってよいでしょう。

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用語や方程式を丸覚えするということは、絶対にしてはいけないぞ。

無次元数をおさえよう!

無次元数をおさえよう!

image by Study-Z編集部

無次元数は、言葉の通り、次元を持たない値です。単位をもたない数と解釈しても、概ね正しいと言えますよ。無次元数を目にしたら、必ずチェックするようにしましょう。無次元数には、2つの役割があります。1つ目は力学的相似性を保証すること、2つ目は物理現象を決定づけることです。レイノルズ数という無次元数を例に考えますね。

レイノルズ数が一致する幾何学的に相似な2つの流れにおいて、慣性力、粘性力、圧力などの力の比が一致します。つまり、レイノルズ数が一致する流れを用いて、本物の飛行機にかかる力を、模型の飛行機にかかる力から計算することができるのです。これが、力学的相似性を保証するということですよ。

また、レイノルズ数の大小で、流れの特徴がつかめるのです。レイノルズ数が小さい流れでは、粘性力が支配的な流れになります。一方、レイノルズ数が大きい流れでは、慣性力が支配的な流れになるのです。これが、無次元数の物理現象を決定づけるという役割に相当します。

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無次元数の役割を覚えておけ。

境界条件を考えよう!

境界条件を考えよう!

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流体力学の問題では、微分方程式を解くことがあります。微分方程式を解くと、未知数が出てくるので、これを決定しなければなりません。このときに、役に立つのが境界条件です。有名な境界条件の一つにすべりなし条件というものがあります。ここでは、簡単にすべりなし条件を説明しますね。

粘性流れにおいて、物体と流体の境界面では、摩擦によって相対速度がゼロになるという条件がすべりなし条件です。図のような、クエット流れを考えます。クエット流れとは、ともに平行を保っている静止した板と等速度で動く板の間を、粘性流体が流れている様子を指しますよ。この流れでは、上側の板の近くでは、流体は板の速度に近づきます。また、下側の静止した板の近くでは、流体の速度はゼロに近づくのです。これがすべりなし条件ですよ。

ここで紹介したすべりなし条件を含む境界条件が、流体力学では頻繁に登場します。よく使う境界条件は、覚えておくようにしましょう

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