身近なマンガン乾電池はどのような仕組み?理系学生ライターがわかりやすく解説
「マンガン乾電池」は、リモコンや時計の電源として、利用されている身近な電池の一つです。身近でありながら、「マンガン乾電池」の仕組みや構造を説明できる方は少ないと思う。そこで、今回は「マンガン乾電池」について、化学の知識を用いて説明していきます。豆知識として、きっと役に立つはずです。
エネルギー工学、環境工学を専攻している理系学生ライターの通りすがりのぺんぎん船長と一緒に解説していきます。
ライター/通りすがりのペンギン船長
現役理系大学生。エネルギー工学、環境工学を専攻している。これらの学問への興味は人一倍強い。中学時代に、DIYで太陽光発電装置を製作するために、独学で電気工事士第二種という資格を取得してしまうほど熱い思いがある。
マンガン乾電池とは?
マンガン乾電池は、身近な電池の一つです。テレビやエアコンといった家電製品のリモコン、持ち運び可能なラジオ、懐中電灯、置き時計などの電源に用いられています。小型で、比較的安全に使用できることが利点だと言えますね。重量も比較的小さいです。また、マンガン乾電池は簡単に長期間保管することができますよ。
一度、完全に放電し、電力を取り出した後は再利用することができない電池を一次電池と言います。マンガン乾電池は、一次電池に分類されますよ。この記事では、マンガン乾電池の構造や仕組みを解説します。そして、マンガン乾電池に似ている電池もいくつか紹介しますね。
マンガン乾電池の構造
image by Study-Z編集部
マンガン乾電池は、亜鉛缶の中に正極合材が詰められており、その中に炭素棒が差し込まれています。正極合材は、正極活性剤である二酸化マンガンと電解質である塩化亜鉛、塩化アンモニウムの混合物に、炭素粉末を加えて水で練ったものです。炭素棒はプラス極へとつながり、亜鉛缶はマイナス極そのものとなりますよ。
セパレーターは炭素棒と亜鉛缶が電池の中で接触し、短絡することを防ぐ役割を果たします。セパレーターは、イオンのみが通り抜けることができるのです。また、マンガン乾電池の起電力は約1.5V(ボルト)になっています。この電圧は、小型の機器を動かす場合は、非常に便利なのです。
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