

端的に言えば意味深長の意味は「奥深い意味を持つこと」だが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
難関高校受験専門の学習塾講師を10年経験したwhite-sugarを呼んだ。一緒に「意味深長」の意味や例文、類語などを見ていくぞ。

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/white_sugar
文系中心に5教科オールラウンダーとして難関校専門学習塾講師を10年務めた後、引退。開成高校、筑波大学付属駒場高校を筆頭に早慶附属・系属高校など首都圏最難関クラスの高校合格者を多数輩出。
「意味深長(いみしんちょう)」の意味は?
「意味深長」には、次のような意味があります。
人の言動や詩文などの表現に、非常に深い趣や含蓄のあるさま。また、表現の表面にあらわれた意味のほかに、別の意味が含まれているさま。後者は俗に略して「意味深いみしん」ともいう。▽「深長」は奥深くて含蓄のあるさま。
出典:新明解四字熟語辞典(三省堂)「意味深長」
ことばや文章の行間に、深い含みや趣、また別の意味などが秘められていること。
出典:四字熟語辞典(学研)「意味深長」
[名・形動]ある表現の示す内容が奥深くて含みのあること。表面上の意味のほかに別の意味が隠されていること。また、そのさま。「意味深長な笑みを浮かべる」
出典:大辞泉(小学館)「意味深長」
「意味」とはその言葉の持つ概念のこと。「深長」とは奥深く、含みを感じさせる様子を指します。
表面的な意味だけではなく、行間に込められた意味まで深く読み取らせ味わわせるような、高尚な文章を元々は示していたようです。
そこから転じて含みを持たせたような、裏の意味まで感じ取らせる表現に変わってきているようですね。なお「意味深」は「いみしん」と読むのであって「いみぶか」とはよみません。また、あくまで俗語であることは念頭に置いてくださいね。
さらに付け加えると、稀に「意味慎重」と勘違いをしている生徒も。「慎重に考えを重ねること」と勘違いしているみたいですね。
「意味深長」の語源は?
次に「意味深長」の語源を確認しておきましょう。
意味深長は「論語序説」という書物に由来します。表したのは朱子学の創始者としても知られる朱熹です。
「私は17、8歳の頃から論語を読んで、内容を理解しているつもりだった。しかし読みこめば読み込むほど、その奥深さ(意味深長さ)を実感することになったのだ」。
最初に読んだ時よりも、読む回数を重ねるうちに表面的な意味以外にも隠された意味があるように思われ、奥が深さを感じられる、とのことです。
朱熹が活躍した時代は明代。11世紀末~12世紀中頃の人です。紀元前からの熟語やことわざが残る、中国由来の四字熟語としては比較的新しいものですね。
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