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グロズヌイとして恐れられた「イヴァン4世(イヴァン雷帝)」の生涯を歴女が5分で解説!

3 雷のごとく統治したイヴァン4世

このようにオプリーチニキを組織し人々を恐怖政治で支配したことで、ロシア語でグロズヌイと恐れられたイヴァン4世。そんな彼のエピソードや晩年についてこの章では見ていきましょう。

3-1 エリザベス1世に求婚していた

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かつてはジョージ・ゴアの作とされていた。 – http://www.luminarium.org/renlit/elizarmada.jpg, パブリック・ドメイン, リンクによる

イヴァン4世のエピソードとして、イングランド女王エリザベス1世に求婚したことが知られています。彼はイングランドとの交易をきっかけにイングランドへ接近し、女王に求婚。ところが当時のロシアは3流国と見做されていました。更に宗教についても問題が。ロシアではギリシャ正教の流れを汲んだものを信仰していたため、ヨーロッパ各国の君主らはロシアと婚姻関係を結びたがりませんでした。エリザベスの場合ももちろん相手にせず。ちなみに彼女には、イヴァン4世の他にももっと魅力的な人物たち(スペイン王フェリペ2世フランス王アンリ3世の弟など)がいたそう。しかし結局彼女は誰とも結婚せず処女王として独身を貫くことに。

3-2 突然の退位宣言

イヴァンは1564年に突然の退位宣言を行いました。その理由としては、多くの貴族らがリヴォニア戦争に反対しクリミア=ハン国の征服を求めて雷帝と対立したため。しかし他の理由としては、1対1ならば貴族の力を弱めることに成功したイヴァンでしたが、依然として貴族や聖職者らの権力は強かったのです。そのため、専制政治を行っていたイヴァンでも貴族や聖職者らからの要求に恐怖を感じるようになったことが原因でした。

1か月経ってもイヴァンは退位宣言を撤回することはなかったため、多くの人々が困惑することに。そんな中、イヴァンは2通の手紙を送ることに。1通は貴族や聖職者に宛てたもの。これにはイヴァンに対して裏切りを行う者をかばっているとし、裏切り行為に耐えられなくなり退位したという内容。もう一方は民衆に送った手紙で、彼らからの支持を取り付けることに成功したイヴァン。彼は退位宣言を撤回する条件として無条件の非常大権を得ることに。この強力な権力を持ったことで、先述したオプリーチニキが誕生。ちなみにイヴァンは後年再び退位宣言しましたが、その真意は未だに謎とされています。

3-3 息子殺しのイヴァン4世

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イリヤ・レーピン投稿者自身による作品, パブリック・ドメイン, リンクによる

これはロシア絵画の巨匠、イリヤ・レーピン「イヴァン雷帝とその息子」。巨大なキャンバスには老いたツァーリと青年が描かれています。しかしよく見ると青年は頭から血を流し、目は虚ろ。薄いピンクのガウンに包まれた身体は自らを支えられずに今にも崩れてしまいそうになっていますね。これを抱きしめ、懸命に血を止めようとする雷帝。これは一体どういうシーンなのでしょうか。

実は怒りで我を忘れた雷帝が皇太子のイヴァン(イワン)を手にかけてしまった場面。息子のイヴァンは父帝に抗議するため、彼の居室を訪れていました。きっかけは皇太子妃が妊娠し体調を崩したため、行事に簡単な服装で出たことを雷帝に咎められることに。この頃の雷帝は気に入らないことがあると、杖で相手を叩くことがしばしば。この時も例外ではでなく、皇太子妃も叩かれ、更にこれがもとで流産。皇太子のイヴァンはこれに対し文句を言おうとし、頭に血が上った父に殺されてしまうことに。

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この時亡くなったイヴァンはイヴァン4世が最も愛したとされる最初の妃、アナスターシャとの間に生まれた息子だったんだ。それにしても一瞬の過ちで取り返しのつかないことになるとはな。

3-4 晩年に再びイングランドと急接近を試みた雷帝

有力な後継ぎを自らの手で殺めてしまった雷帝は、頼りない息子フョードルしかいなかったため再び再婚することに。相手は重臣の娘、マリヤ。しかしマリヤを妃に迎えた直後に彼は信じられない行動に出ました。なんとまたイングランドへコンタクトを取り、エリザベスの親戚のハンティンドン伯爵の娘レディー・メアリ・ヘイスティングスとの婚姻を打診したのです。しかしエリザベス1世はこの縁談を進めず、更にマリヤが男児を出産したことで立ち消えになることに。ちなみにこのマリヤの産んだドミトリーはイヴァンが7回目の結婚だったことから、庶子と見做されることに。

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totocco0630