

端的に言えば閑古鳥が鳴くの意味は「人が訪れない為に商売が流行らない様子」だが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
営業マネージャーとして勤務し、カナダでの留学を経てライターとして活動中のナガタナミキを呼んだ。一緒に「閑古鳥が鳴く」の意味や例文、類語などを見ていくぞ。

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。
ライター/ナガタ ナミキ
外資企業の営業マネージャーとして勤務し、相手に伝わる会話表現やコーチングスキルについて学ぶ。カナダでの留学を経て、言葉の持つニュアンスや響きを大切にするライターとして現在活動中。
「閑古鳥が鳴く」の意味は?
「閑古鳥が鳴く」には、次のような意味があります。
人の訪れがなく、ひっそりと静まり返っているさま。客が来なくて商売がはやらないさま。
「不景気で、店に―・いている」
出典:デジタル大辞泉(小学館)「閑古鳥が鳴く」
「閑古鳥」はカッコウの別名です。カッコウの鳴き声が物寂しく聞こえることに由来し、「閑古鳥が鳴く」は人が少なく静かな状態を表しています。
人気(ひとけ)がないことに加えて、特に商売が繁盛していない状況に対して使われることが一般的です。店舗や商店街などの普段賑わう場所が不況により閑散としていれば、それはまさに「閑古鳥が鳴いている」状態。他にも旅館や映画館、劇場、温泉街、ショッピングモールなどの商売が行われる場所・施設・観光地に対して使うことができます。
注意点としては、そもそも人があまり訪れない場所に対しては使わないことです。たとえば山奥のホテルなどは人の往来が少ないことを前提としているので、静かであってもそれは予想通り・普段通りであるといえます。つまりこの場合には「閑古鳥が鳴く」とは言いません。
来店客が少なければ商売はダメージを受けますよね。普段は賑わう活気ある場所が驚くほど静かな状態を「閑古鳥が鳴く」で表すことができますよ。
「閑古鳥が鳴く」の語源は?
次に「閑古鳥が鳴く」の語源を確認しておきましょう。
前項でも軽く触れた通り「閑古鳥」とはカッコウの別名です。カンコドリ→カッコウドリ→カッコウに変化したと言われています。この閑古鳥の鳴き声はどこか寂しげで、聞けば人里を離れた山の情景を思わせることから転じて「さびれた状態・心情」を表すようになったのです。物寂しさを表す際に「閑古鳥」が単体で使われることもあります。また「閑」という漢字にも実は「暇である・静かでゆったりとしている」という意味合いが含まれていますよ。
江戸時代の俳人・松尾芭蕉も「閑古鳥」を詠んだ句を残しています。
憂き我を さびしがらせよ 閑古鳥
出典:芭蕉『嵯峨日記』より
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