
「面壁九年」の対義語は?
「長く一つのことに取り組むこと」という意味の「面壁九年」の対義語は、どんな意味になるのでしょうか。
「三日坊主」
「三日坊主」は、皆さんもよく知っている四字熟語でしょう。「あきっぽくて長続きしないこと」という意味ですね。僧になるための修行を始めたものの、辛くて三日でやめてしまい、「三日だけ坊主」という言葉からできた「三日坊主」。達磨と同じ僧侶ではあるものの、修行をし続けて悟りを開いた達磨と、三日で修行から逃げ出し坊主をやめた三日坊主、語源から見ても、見事に反対の意味ですね。
「面壁九年」の英訳は?

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日本では「面壁九年」で意味が通じますが、海外ではそうもいきません。「面壁九年」の意味を正しく伝えるには、英語でどのように表現すればよいのでしょうか。
「facing a wall for nine years in meditation by Bodhidharma at Shaolin Temple」
「facing a wall for nine years」が「9年間壁に向かう」、「in meditation」が「瞑想に入る」とそれぞれ意味し、「9年間壁に向かって瞑想する」という意味になります。「Bodhidharma」は「達磨」、「Shaolin Temple」は「少林寺」です。単語が多く、少し長めではありますが、「面壁九年」の必要な要素をしっかりと入れ込んだ英熟語になっています。ただし、「長い時間一つのことに専念する」という「面壁九年」の意味までは伝わりにくそうですね。
「dedicate oneself to 〜 for a long time」
「面壁九年」の「長い間一つのことに専念する」という意味を英訳してみました。「専念する」という英単語はさまざまありますが、「dedicate」は、「専念する」以外にも「捧げる」という意味も持っているので、「面壁九年」にはふさわしいのではないでしょうか。ただし、この訳だと「面壁九年」という四字熟語をわざわざ使う必要がなくなってしまうんですね。
私は「面壁九年」は、語源も意味も素晴らしいですし、使う対象への尊敬もこめられた四字熟語だと思います。ですから、意味だけでなく、「面壁九年」という言葉にこめた自分の思いも含めて伝えられるようにしたいですね。
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