

端的に言えば「有象無象」の意味は「取るに足りない雑多な集まり」だが、「有象」と「無象」がそれぞれどういった意味の言葉か疑問に思ったことはないか?
今回はそんな「有象無象」の意味や語源、類語と比較した使い方の違いなどを文学部卒webライターのリカと一緒に学んでいくぞ。

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。
ライター/リカ
文学部卒のwebライター。在学中、様々な言葉について論文を執筆し、卒業後も日常で疑問を持った言葉についてすぐに調べることを習慣付けている。
「有象無象」は「取るに足りない雑多な集まり」
「有象無象」を辞書で調べてみると「うざうむざう」という項目が見つかります。「うざうむざう」とは「うぞうむぞう(有象無象)」を古い仮名遣いで表記したものです。
1.仏語。有相(うさう)と無相(むさう)。この世に存在する一切のもの。
2.転じて、取るに足りない、雑多な連中。
出典:角川古語大辞典(角川書店) 「うざうむざう(有相無相・有象無象)」
上記のように「有象無象(有相無相)」には2つの意味が記載されています。
仏語(仏教で使用される言葉)が由来となっており、元々は1のこの世の存在するすべてのものと意味で使用される四字熟語でした。
それが時とともに変化し、2のとるに足りない雑多な集まりという意味で使われるようになったんですね。
現代で「有象無象」が使われている場合、ほとんどが2のとるに足りない雑多な集まりという意味で用いられます。
「有象無象」の語源は?
「有象無象」は「有象」と「無象」の2つの単語から成り立った四字熟語です。上でも述べたように「有象」と「無象」はどちらも仏語(仏教で使用される言葉)で、「有象(有相)」にはこの世に存在する姿や形のある物・事象を指し、「無象(無相)」には有象とは反対に姿形や実体のないものを指します。
これら2つの言葉を合わせて「姿形の有るもの、無いものの一切を含めたこの世に存在するもの全て」という意味の四字熟語になったんですね。
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