

端的に言えば飛耳長目の意味は「見聞が広く物事に精通していて、観察力や判断力に優れていること」だが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
10数年間、中高生に学習指導をしているライターヤマトススムを呼んだ。一緒に「飛耳長目」の意味や例文、類語などを見ていくぞ。

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/ヤマトススム
10数年の学習指導の経験があり、とくに英語と国語を得意とする。これまで生徒たちを難関高校や難関大学に導いてきた。
「飛耳長目」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「飛耳長目(ひじちょうもく)」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。語源までチェックしておくと、言葉の意味がつかみやすくなりますよ。
「飛耳長目」の意味は?
「飛耳長目」には、次のような意味があります。もとの意味から転じて、幅広い意味になっているのでポイントを詳しく見ていきましょう。
1.物事の観察に鋭敏で、見聞が広く精通していること。観察力や情報の収集力があり、物事に通じていることの形容。
出典:新明解四字熟語辞典(三省堂)
「飛耳長目」とは、もともと遠くのことをよく見聞きする耳と目のことですが、そこから転じて観察力や情報を収集する能力が優れているという意味につながっています。
さらに、判断力も優れているとする辞書もあり、観察力や情報収集力に加えて情報を取捨選択し使いこなすイメージになりますね。目と耳の範囲を超えた意味合いまで含むケースもあるということです。
「飛耳長目」の語源は?
次に「ひじちょうもく」の語源を確認しておきましょう。中国の戦国から漢の時代に書かれた「管子(かんし)」がもとになっていますよ。
その管子には、君主として守るべき項目についての一節が書かれています。君主たる者は「はるか遠方のことを見通す目」と「はるか遠方のことを聞く耳」などを持つことが必要であるということです。
また、日本では、吉田松陰が塾生に対して、常に情報を収集して将来の判断するよう説きました。そして、吉田松陰本人が何より「飛耳長目」を実践していた人でしたよ。