この記事では「屈辱を晴らす」について解説する。

端的に言えば「屈辱を晴らす」の意味は「受けた恥をそそぐ」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

大学生ライターTakaosushiを呼んです。一緒に「屈辱を晴らす」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/Takaosushi

英語科に通う大学3年生。英語だけでなく日本語の四字熟語や慣用句も勉強中。

「屈辱を晴らす」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「屈辱を晴らす」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。日常生活やメディアでもよく目にする慣用句ですが「雪辱を果たす」との混同などがよく見られます。今回はしっかりそれぞれの意味を確認していきましょう。

「屈辱を晴らす」の意味は?

「屈辱を晴らす」には、次のような意味があります。「屈辱」と「晴らす」それぞれの意味を確認していきましょう。

1.屈服させられて恥ずかしい思いをさせられること。
2.はずかしめられて、面目を失うこと。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「屈辱」

1.心のわだかまりを取り除いてはればれとした気持ちにさせる。
2.目的をとげる。
3. 空が晴れるようにする。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「晴らす」

上記の意味から「屈辱を晴らす」とは「受けた恥をすっきりさせる」というニュアンスがあることがわかりますね。「挽回する」に近い意味であるともいえ、ポジティブな意味合いを持つ事が多いです。

「雪辱を果たす」との違いは?

「屈辱を晴らす」と「雪辱を果たす」はよく混同、誤用されやすい表現で、「屈辱を果たす」「雪辱を晴らす」と間違って使われていることもあります。なんと文化庁が発表した平成22年度「国語に関する世論調査」では、「前に負けた相手に勝つこと」を表現するとき、本来の言い方とされる「雪辱を果たす」を使う人が43.3パーセント、本来の言い方ではない「雪辱を晴らす」を使う人が43.9パーセントという結果が出ているそうです。大体の意味は同じなためよく間違えられるのですが、具体的にどのような違いがあるのでしょうか?

先程は「屈辱を晴らす」の意味を辞典で確認しましたが、つぎに「雪辱を果たす」の意味を確認していきましょう。

\次のページで「「屈辱を晴らす」の使い方・例文」を解説!/

1.恥をすすぐこと。特に、競技などで負けたことのある相手を破って名誉を取り戻すこと。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「雪辱」

1.物事を成し遂げる
2.その立場としての仕事をみごとにやってのける。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「果たす」

上記で見たように「雪辱」にはそもそも「恥をすすぐ」という「屈辱を晴らす」と同じ意味があるのです!そのため「雪辱を果たす」とは遠回しに言うと「屈辱を晴らすことを成し遂げる」という意味になります。「雪辱=屈辱を晴らす」というように覚えておけばあなたももうこれからこの2つの表現を迷わず使い分けることができるでしょう。

ちなみに、「恥をすすぐ」の「すすぐ」は漢字で「雪ぐ」(そそぐとも読む)です。また、この「雪辱を果たす」はスポーツなどの勝負事について述べる際に多く使われる傾向にあります。

「屈辱を晴らす」の使い方・例文

「屈辱を晴らす」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.彼は不祥事で評判を落としたが、今回の新作ドラマで主演を務め見事屈辱を晴らした。
2.そのチームは最後の試合で前回の屈辱を晴らした。
3.私は昨年後輩にレギュラー枠を奪われたが、今年ついにその屈辱を晴らした。

先程確認したように「屈辱を晴らす」には過去に受けた恥をすすぐというポジティブなニュアンスを持つ場合と「復讐をする」というネガティブなニュアンスを持つ場合があります。「自分の気持ちが済むようにする」という意味合いもありますね。

前後の文によってどちらのニュアンスで使われているのか確認しましょう。

\次のページで「「屈辱を晴らす」の類義語は?違いは?」を解説!/

「屈辱を晴らす」の類義語は?違いは?

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次に「屈辱を晴らす」の類義語を紹介していきます。今回は対義語はありませんので類義語をいくつか見ていきましょう。

「名誉挽回」

「名誉挽回」とは「1度傷ついた名誉を取り戻す」という意味の四字熟語で「名誉回復」も同じ意味をもちます。「名誉」はよくカタカナで「プライド」ともいわれたりしますね。

「汚名返上」

「汚名返上」は「着せられた汚名をそそぎ、名誉を回復する」という意味の四字熟語です。先程の「名誉挽回」の違いは「名誉挽回」が「傷ついた名誉を取り戻す」という意味であるのに対し「汚名返上」は「着せられた汚名を無くす」という意味になります。わかりやすく言うと前者は「失ったものを取り戻す」後者は「得たものを返す」というニュアンスです。

「屈辱を晴らす」の英訳は?

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次に「屈辱を晴らす」の英語での表現例を見ていきましょう。「屈辱を晴らす」はポジティブ、ネガティブ両方の意味合いを持つと先程解説しましたが、英語での表現例もポジティブ、ネガティブな表現両方紹介しています。

「clear the stigma」

「clear the stigma」 は直訳で「汚名を晴らす」という意味で、「屈辱を晴らす」と似た意味を持ちます。日本語でもカタカナで「スティグマ」と使われることがありますが「stigma」はほかにも「汚点、不名誉」などの意味もある単語です。

「clear one's name of stigma」の形で使われることもあります。

「get back at」

「get back at」は「〜に仕返しをする」「〜に復讐をする」という意味のイディオムです。「屈辱を晴らす」よりもネガティブな意味合いを持つ表現ですね。

前置詞「at」のあとには人を表す名詞がきます。また、さらにうしろに前置詞「for」をつけることで「〜のことで〜に復讐をする」という意味になりますよ。例えば「I got back at him for betraying me. 」で「裏切られたので彼に復讐をした。」という意味になります。

\次のページで「「redeem oneself」」を解説!/

「redeem oneself」

「redeem oneself」は「名誉挽回する」という意味のイディオムで、「redeem」には「弁済する」「補う」という意味もありますが「努力して取り返す」という意味で使われることが多いです。

「redeem oneself」以外にも「redeem one's honor」「redeem one's good name」が同じ意味で使われます。「honor」も「good name」も「名誉」という意味で、この「redeem oneself」は先程の「get back at」よりもポジティブな意味合いを持つ表現です。

「restore one's reputation」

この「restore one's reputation」も先程の「redeem oneself」同様「名誉を回復する」という意味です。「restore」は「返還する、取り戻す」、「reputation」は「評判、名声」という意味を持ちます。

「屈辱を晴らす」を使いこなそう

この記事では「屈辱を晴らす」の意味・使い方・類語などを説明しました。スポーツなどで1度負けた相手に勝つといった場面で使われる場合はポジティブなニュアンスを持ちますが、「復讐をする」という意味合いで使われる場合にはネガティブなニュアンスになるということを覚えておきましょう!

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国語言葉の意味

【慣用句】「屈辱を晴らす」の意味や使い方は?例文や類語をWebライターがわかりやすく解説!

この記事では「屈辱を晴らす」について解説する。

端的に言えば「屈辱を晴らす」の意味は「受けた恥をそそぐ」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

大学生ライターTakaosushiを呼んです。一緒に「屈辱を晴らす」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/Takaosushi

英語科に通う大学3年生。英語だけでなく日本語の四字熟語や慣用句も勉強中。

「屈辱を晴らす」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「屈辱を晴らす」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。日常生活やメディアでもよく目にする慣用句ですが「雪辱を果たす」との混同などがよく見られます。今回はしっかりそれぞれの意味を確認していきましょう。

「屈辱を晴らす」の意味は?

「屈辱を晴らす」には、次のような意味があります。「屈辱」と「晴らす」それぞれの意味を確認していきましょう。

1.屈服させられて恥ずかしい思いをさせられること。
2.はずかしめられて、面目を失うこと。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「屈辱」

1.心のわだかまりを取り除いてはればれとした気持ちにさせる。
2.目的をとげる。
3. 空が晴れるようにする。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「晴らす」

上記の意味から「屈辱を晴らす」とは「受けた恥をすっきりさせる」というニュアンスがあることがわかりますね。「挽回する」に近い意味であるともいえ、ポジティブな意味合いを持つ事が多いです。

「雪辱を果たす」との違いは?

「屈辱を晴らす」と「雪辱を果たす」はよく混同、誤用されやすい表現で、「屈辱を果たす」「雪辱を晴らす」と間違って使われていることもあります。なんと文化庁が発表した平成22年度「国語に関する世論調査」では、「前に負けた相手に勝つこと」を表現するとき、本来の言い方とされる「雪辱を果たす」を使う人が43.3パーセント、本来の言い方ではない「雪辱を晴らす」を使う人が43.9パーセントという結果が出ているそうです。大体の意味は同じなためよく間違えられるのですが、具体的にどのような違いがあるのでしょうか?

先程は「屈辱を晴らす」の意味を辞典で確認しましたが、つぎに「雪辱を果たす」の意味を確認していきましょう。

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