


解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。
ライター/sasai
元会社員の現役フリーライター。言葉が好きで文章が好き。読むのも書くのも大好きで、海外小説からビジネス書まで何でも読む本の虫。こだわりをもって言葉の解説をしていく。
国内の心配事と、外国との間に生じるやっかいな事態。内にも外にも憂慮すべき問題が多いこと。
「内」は国内、「外」は国外、「憂」「患」はともに憂えるの意。もとは国内外に解決すべきやっかいな問題が山積みしていることを表したが、現在では会社組織などの様子を表すときにも広く用いられる。
出典:goo辞書「内憂外患」
「内憂外患」とは、まずい状況にあることを指しています。ただまずいだけでなく、自分にとっての身内側と、外部側でそれぞれ別々に問題が発生している状態です。主に国内と国外の問題に対して使用されることが多いため、政治などのニュースで比較的頻出する言葉でもあります。
一方で現代では、会社などの組織や、家庭内と仕事の場など、より生活に密着した場面でも使用されるように。いずれにしろ良い意味合いではなく、問題だらけの状況を示していることに変わりはありません。

生活の場でも使用されるようになってきている言葉ではあるが、反面やや固い言葉遣いでもある。使うと一気に重いニュアンスになるから、真剣な話をしたいとき向けの言葉だな。
「内憂外患」ってなんて読むの?
「内憂外患」の読み方は「ないゆうがいかん」です。読み慣れないと、何か特殊で変わった読み方をするのでは?と考える人も多いですが、実は特別な読み方はしません。「憂(ゆう)」は「憂鬱(ゆううつ)」の「憂」であり、「憂い(うれい)」。つまり、思い通りにならず辛い思いをするさまを表しています。
同時に「患(かん)」は「患者(かんじゃ)」の「患」であり、「患う(わずらう)」ともいう言葉です。これも上手くいかず辛く感じる様を表しており、「憂」と意味合いとしてはほぼ同様と言えるでしょう。これが「内外」にあり、自分にとっての内も外も問題ばかりという意味になります。
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