
放射性廃棄物の処分方法ってどうなってる?理系学生ライターが5分でわかりやすく解説
「放射性廃棄物」は、人類が原子力エネルギーを使い続ける限り、増え続けるゴミのことです。この「放射性廃棄物」は、人間を含む生命体に、悪影響を与えうる物質だとされている。それゆえ、厳重に管理し、適切に処分する必要がある。この記事では、「放射性廃棄物」の正体とその処分方法を中心に話を進めていく。ぜひ、この機会に、「放射性廃棄物」について学んでくれ。
エネルギー工学、環境工学を専攻している理系学生ライターの通りすがりのぺんぎん船長と一緒に解説していきます。

ライター/通りすがりのペンギン船長
現役理系大学生。エネルギー工学、環境工学を専攻している。これらの学問への興味は人一倍強い。放射化学、放射線物理学、原子力工学なども勉強中。
放射性廃棄物に対するイメージ

放射性廃棄物という言葉に対して、皆さんはどのような印象を抱くでしょうか?恐ろしいもの、怖いもの、不思議なもの、正体がよくわかないものといったイメージを持っている方が多いと思います。では、「なぜ恐ろしいのか?」、「なぜ放射性廃棄物が発生するのか?」というところまで考えたことはあるでしょうか?考えたことがないという方が多いはずです。
放射性廃棄物について小学校や中学校で勉強する機会はほとんどありません。ニュースや新聞で見聞きする情報は断片的です。このような理由で、放射性廃棄物について深く理解する機会が少なくなっているのですね。
この記事では、放射性廃棄物の正体を明らかにしつつ、放射性廃棄物が発生する理由や放射性廃棄物の毒性についても考察していきます。やや難しい用語も登場しますが、まずは全体像を把握することから始めると理解しやすいかと思いますよ。
放射性廃棄物の定義

放射性廃棄物は、使用を終えた放射性物質と放射性物質によって汚染されたものを指します。放射性物質は、放射能をもつ物質の総称です。また、放射能とは原子核が別の原子核に変化する能力のことでしたよね。原子核が別の原子核へと姿を変える際に、膨大なエネルギーを放射線として放出します。
言葉で表現しただけでは理解しずらいので、いくつか例を挙げて解説していきますね。まずは、原子力発電所で生じる放射性廃棄物について考察してみましょう。多くの原子力発電所で利用されている軽水炉では、ウラン235を燃料として核分裂を連鎖的に起こしています。ウラン235が核分裂した際に生じる物質を、核分裂生成物と言いますよ。核分裂生成物の多くは、不安定核であり、ベータ崩壊を繰り返して安定核へと変化します。つまり、核分裂生成物の多くが放射能を持っているのです。
他にも、医療の現場で、放射性同位体を使用した際にも放射性廃棄物は発生します。医療現場で用いられる放射性同位体の代表格は、放射性医薬品です。農業や工業の分野でも、放射性同位体は使用されています。このように、様々な分野で放射性廃棄物が発生するのです。
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