
「Piece of cake」
ケーキの一切れなんて、簡単に食べられてしまいますよね。つまり、楽勝です。日本語で言うところの「朝飯前」などと似た表現ともいえるでしょう。
日本外史は日本人が幕末に書いた日本の歴史書。なのに全部漢文で書かれています。日本で、日本のことを書いているのになんで?と思うかもしれませんが、長らく正式な文章は漢文で書かれていました。
有益な書物は中国からもたらされるものであり、中国文化>日本文化という意識があったことが大きいのでしょうし、特別な教養を持つエリートたちの独占物だったということもあるでしょう。別に日本だけがそうだったわけではありません。ヨーロッパでも日常では使用されないラテン語やフランス語が必須の教養だった歴史があります。それどころか、日本外史には漢文の格調が低いという批判すらあったようです。もちろん批判してるのは中国人ではなく日本人。日本人同士が漢文の格調を語るなんてなんだか不思議な気もしますが、それだけ武士にとっては一般的な教養だったのでしょう。大学の受験勉強で英語の勉強が大変だとか、日常で使わないものを勉強しても意味がないとか、色々考えることもあります。確かに日本で生きていて英語を使う機会はそんなにないでしょうね。ですが社会の上層部に所属したいとのぞむ(大学に行くというのは、本来そういうこと)ならば外国語を求められるのは今に始まったことではありません。江戸時代はおろか平安時代でもそう。1000年以上前からそんなものなのです。「鎧袖一触」を使いこなそう
鎧袖一触、いかがだったでしょうか。難しい言葉のようですが、近年使われているのはアニメやゲームでの例が多いです。有名なところでは『機動戦士ガンダム』やブラウザゲームの『艦隊これくしょん(艦これ)』等の登場人物が口にしています。実は私もそちらでこの言葉を学びました。このページも観てくださっている方にもそういった方はいらっしゃるかと思います。言い訳をするわけでもないですが、きっかけはなんでもよく、むしろ趣味が基になって知識を深めるのは非常に有意義といえるでしょう。
また、こんな言葉が頻繁に使われるのならそれは戦時。語源でも、上で挙げた作品例でも戦争がモチーフになっています。使う機会があまりないのは幸せなことなのかもしれません。