この記事では「天狗(てんぐ)になる」について解説する。

端的に言えば「天狗になる」の意味は「うぬぼれること」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

大学生ライターTakaosushiを呼んです。一緒に「天狗になる」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/Takaosushi

英語科に通う大学3年生。英語だけでなく日本語の四字熟語や慣用句にも興味があり勉強中。

「天狗になる」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「天狗になる」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。日常会話やテレビ等のメディアで耳にしたことがあるかもしれませんね。「天狗」とは伝説上の存在ですが、あなたは「天狗」にどのようなイメージを持っていますか?

「天狗になる」の意味は?

「天狗になる」には、次のような意味があります。意味をきちんと習ったことがなくても日常生活の中で使われているニュアンスで大体の意味を掴めている方が多いと思いますが、今回はきちんと辞書の引用を見ていきましょう。

1.いい気になって自慢する。
2.得意になる。
3.うぬぼれる。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「天狗になる」

1.得意になる。
2.鼻高々になる
3.いい気になって自慢する。

出典:日本語大辞典(小学館)「天狗になる」

上記のように「天狗になる」にはネガティブな意味合いがあります。天狗は大抵妖怪として扱われたり、魔術や妖術を使う怪しい存在としてのイメージがありますので、「天狗になる」も同様にあまりいいイメージを持ちません。このように表現の中にある名詞がどのような意味合いを持つのかを意識すると、表現の意味もイメージがしやすいです。

「天狗になる」の語源は?

次に「天狗になる」の語源を確認しておきましょう。高慢な天狗の鼻が高いから「天狗になる」が「うぬぼれる」という意味になったのか、「得意げになる」という意味の「鼻高々になる」という表現が「高慢な天狗の鼻は高い(長い)」という伝説を生んだのか、その順番については諸説あります。

また、実力もないのに自慢したり、怨恨や憤慨によって堕落した僧侶は天狗道という魔道に落ちると言われ、そこから、高慢になる、自慢することをいうようになったともされており、語源については複数の候補があり、どれが正しいものなのかはわかっていません。そもそも天狗自体が架空の存在であるので仕方の無いことかもしれませんね。

またそもそもなぜ「高い鼻」が「傲慢」の象徴なのかというと、人は得意げになった際ふんぞり返って人を見下すような姿勢になります。その際、その人の鼻は普段よりも下から見ることになるため高く見えますよね。そこから「得意げな様子」を「鼻高々」というようになった訳です。

\次のページで「「天狗になる」の使い方・例文」を解説!/

「天狗になる」の使い方・例文

「天狗になる」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。先程確認したように「天狗になる」はネガティブな意味合いが含まれる表現です。

1.お客様にサービスを褒められたからといって天狗になってはいけない。
2.私の友達は街角でテレビ番組のインタビューを受けたからといって天狗になっている。
3.出版した本がベストセラーになったのだから彼が天狗になってもおかしくない。

このように「天狗になる」は「何か嬉しい事やいい結果を得たときにいい気になってしまうこと」というニュアンスで、現代で言う「調子に乗る」に近い意味です。

「天狗になる」の類義語は?違いは?

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次に「天狗になる」の類義語を紹介していきます。先程紹介した「鼻高々」「調子に乗る」も類義語です。これから紹介する表現はどちらも「天狗になる」同様ネガティブな意味合いを持ちます。

「図に乗る」

「図に乗る」も類義語の1つで、仏教が由来となっている表現です。仏教の供養や祈願などの儀式において、僧侶が音階や節をつけながら経文を唱えることを「声明」(しょうみょう)と言い、この「声明」の転調のことを「図」といいます。声明の転調は難しく、うまく調子を変えることを「図に乗る」といったそうです。

その後「図に乗る」が本来持つ「(声明の)調子に乗る」という意味が現代の「(いい気になって)調子に乗る」という意味になったといわれています。初めはポジティブな意味合いだったのが、後にネガティブな意味合いになったという訳です。

それでは例文を見ていきましょう。

\次のページで「「天狗になる」の対義語は?」を解説!/

1.たったひとつの成功で図に乗ることは大きな失敗につながる。
2.彼の息子が県大会で優勝したのだから、彼が図に乗るのも仕方がない。

「思い上がる」も類義語の1つで「実際より偉いものだと思い込む、うぬぼれる」という意味があります。「意気がる」も同じ意味ですね。

それでは例文を見ていきましょう。

1.上司から少し褒められただけで思い上がってしまったことを反省している。
2.そのベンチャー企業の社長は奇抜なスタイルがメディアで取り上げられ、思い上がっている。

「天狗になる」の対義語は?

次に「天狗になる」の対義語を紹介していきます。

「謙虚」

「天狗になる」とは「高慢になること」であるので、対義語は「謙虚」になります。「腰が低い」ということもできますね。「天狗になる」とは反対に「謙虚」はポジティブな意味合いで使われることが多いです。

それでは例文を見ていきましょう。

1.本当の天才は自分の能力を過信したりせず、謙虚な姿勢であることが多い。
2.彼は若手にも関わらず営業で好成績を残しているが、謙虚な姿勢を貫いている。
3.彼女の謙虚な性格が仕事における彼女に対する信頼につながっている。

\次のページで「「天狗になる」の英訳は?」を解説!/

「天狗になる」の英訳は?

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「天狗になる」を英語で表現したい場合は直訳しようとせず、この表現が持つ「高慢になる」「うぬぼれる」という意味を意識してみると理解しやすいですよ!

「full of oneself」

「full of oneself」は「うぬぼれる」という意味のイディオムで「必要以上に自信に溢れている状態」を指します。「full」は形容詞として使われており、「He is full of himself.」(彼はうぬぼれている。)のように前にbe動詞を伴って使われる表現です。

それでは例文を見ていきましょう。

1. He is full of himself. He thinks he is an everyone's favorite person.
彼はうぬぼれている。自身を人気者だと思っているのだ。

1.I was full of myself when I was 14. I always looked myself in the picture.
14際の頃の私はうぬぼれていて写真の中の自分をいつも見ていた。

「天狗になる」を使いこなそう

この記事では「天狗になる」の意味・使い方・類語などを説明しました。何かいいことがあると無意識に天狗になってしまうことは仕方の無いことですが、1度自身を客観的に見つめ直すことが大事なところですね!

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【慣用句】「天狗になる」の意味や使い方は?例文や類語をWebライターがわかりやすく解説!

この記事では「天狗(てんぐ)になる」について解説する。

端的に言えば「天狗になる」の意味は「うぬぼれること」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

大学生ライターTakaosushiを呼んです。一緒に「天狗になる」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/Takaosushi

英語科に通う大学3年生。英語だけでなく日本語の四字熟語や慣用句にも興味があり勉強中。

「天狗になる」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「天狗になる」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。日常会話やテレビ等のメディアで耳にしたことがあるかもしれませんね。「天狗」とは伝説上の存在ですが、あなたは「天狗」にどのようなイメージを持っていますか?

「天狗になる」の意味は?

「天狗になる」には、次のような意味があります。意味をきちんと習ったことがなくても日常生活の中で使われているニュアンスで大体の意味を掴めている方が多いと思いますが、今回はきちんと辞書の引用を見ていきましょう。

1.いい気になって自慢する。
2.得意になる。
3.うぬぼれる。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「天狗になる」

1.得意になる。
2.鼻高々になる
3.いい気になって自慢する。

出典:日本語大辞典(小学館)「天狗になる」

上記のように「天狗になる」にはネガティブな意味合いがあります。天狗は大抵妖怪として扱われたり、魔術や妖術を使う怪しい存在としてのイメージがありますので、「天狗になる」も同様にあまりいいイメージを持ちません。このように表現の中にある名詞がどのような意味合いを持つのかを意識すると、表現の意味もイメージがしやすいです。

「天狗になる」の語源は?

次に「天狗になる」の語源を確認しておきましょう。高慢な天狗の鼻が高いから「天狗になる」が「うぬぼれる」という意味になったのか、「得意げになる」という意味の「鼻高々になる」という表現が「高慢な天狗の鼻は高い(長い)」という伝説を生んだのか、その順番については諸説あります。

また、実力もないのに自慢したり、怨恨や憤慨によって堕落した僧侶は天狗道という魔道に落ちると言われ、そこから、高慢になる、自慢することをいうようになったともされており、語源については複数の候補があり、どれが正しいものなのかはわかっていません。そもそも天狗自体が架空の存在であるので仕方の無いことかもしれませんね。

またそもそもなぜ「高い鼻」が「傲慢」の象徴なのかというと、人は得意げになった際ふんぞり返って人を見下すような姿勢になります。その際、その人の鼻は普段よりも下から見ることになるため高く見えますよね。そこから「得意げな様子」を「鼻高々」というようになった訳です。

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