
「つむじを曲げる」
「つむじを曲げる」は、「へそを曲げる」と並んで我々にとってなじみの深い慣用句の一つではないでしょうか。こちらも「へそを曲げる」とほぼ同様の意味合いを持っています。
その由来も非常によく似ていて、ひねくれて「つむじ」のある頭のてっぺんを横向きに倒している様子から生まれたとするのが定説です。他にも「冠を曲げる」という表現も、ほぼ同じ意味を表しているといえます。
「意固地になる」
「意固地(いこじ)になる」もまた「へそを曲げる」の類義語としてとらえることができます。この慣用句は、つまらないことに意地を張りとおしている様子を表したものです。
「へそを曲げる」との違いは、けっして何かに怒ったことがきっかけでそうなっているわけではないので注意しておきましょう。単なるこだわりなのか、意地っ張りなのか、そもそもひねくれた性格なのか、理由はケースバイケースです。
では、これらの慣用表現の用例を例文で確認しておくことにしましょう。
あの漫画家の先生は一度つむじを曲げたらなかなか戻らないから、早々に機嫌を直してもらうアイデアを考える必要があるね。
そういつまでも意固地になっていたってお互いに得することなんて何もないんだから、もっと自分に素直になろうよと健太はお願いしてみた。
#3 「へそを曲げる」の対義語は?

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では、逆に「へそを曲げる」の対義語にはどのようなものが考えられるのでしょうか。「へそを曲げる」が、態度を硬化させるという意味合いならば、反対の意味は態度を軟化させることでしょう。
では、そのような意味合いをもった慣用表現を二つ紹介していきます。
「色を直す」
「色を直す」は、「へそを曲げる」の対義語だといえるものです。ここでいう「色」とは、いったい何のことなのでしょうか。
「色」は、ずばり「顔色」=「表情」であると考えてください。たとえば、怒りの感情で「気色(けしき)ばんだ」表情が治まる様子をイメージするといいでしょう。
つまり、この慣用句は表情が柔和になることを表しているといえます。
「辞色を和らげる」
「辞色を和らげる」もまた、「へそを曲げる」の対義語だといえます。こちらは、ことばや表情が穏やかになるという意味です。
「辞色」の「辞」は、「辞書」の「辞」と同様で「ことば」を意味しています。一方の「色」は先ほどと同じく「顔色」のことですね。
では、これらの表現の使われ方も例文で押さえておきましょう。
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