気圧が下がると沸点も下がる?圧力と沸点の関係や圧力鍋の仕組みも理系ライターがわかりやすく解説
また、圧力鍋でお湯を沸かすと逆に100℃を超えても沸騰しない。圧力鍋の中では「100℃以上の水」が存在できるわけです。
このように圧力、気圧が変わると沸点も変わってしまう。この記事では、その理由について理系ライターR175と解説していきます。
ライター/R175
関西のとある理系国立大出身。エンジニアの経験があり、身近な現象と理科の教科書の内容をむずびつけるのが趣味。教科書の内容をかみ砕いて説明していく。
1.圧力と沸点
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普段、ほぼ大気圧下にいる私たちにとって水が100℃で沸騰するのは「当たり前」のことですが、気圧が変わるとそうではなくなってしまいます。そのため以下のような現象が起こるのです。
・気圧の低い富士山山頂ではお湯は100℃まで到達せず蒸発。
・圧力鍋ではスープの沸点が高いため、高温にしても沸騰しにくい。
気圧が高いほど沸点も高く、気圧が低いほど沸点も低くなります。それはなぜでしょうか。「気圧」および「沸騰」について理解すればそうなる理由がうなずけますよ。
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2.「圧力」と「気圧」について
そもそも、圧力、気圧って何でしょう。圧力とは何かが何かを「圧(お)す」力。力とほぼ同じ意味で異なるのは表し方のみ。力を作用面の面積で割り算しているだけです。
気圧は字のまま「気体」の「圧力」。固体から作用する場合も、液体から作用する場合も、気体から作用する場合もすべて「圧力」ですが、気体から作用するものを特に「気圧」と呼んでいるのです。
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