そのスポーツ選手は、鳴り物入りで入団したけれど、残念なことに予想に反して竜頭蛇尾の結果に終わってしまった。
彼はその気迫に満ちた顔から、ビジネスで成功するかと思っていたら、マナーがひどく悪くて、残念ながらまさに竜頭蛇尾というところだ。
宣伝では、時代を映す鏡のような映画ということだったが、実際に見てみると竜頭蛇尾だった。
フルコースの料理を注文したのだが、最初は立派な前菜が出たのに、メインもデザートも期待外れで、あのレストランのコースメニューこそ竜頭蛇尾と言うしかない。
最初は立派だから、それが最後まで続くかと期待したのに期待外れの結果に終わった、というのが「竜頭蛇尾」の意味ということになりますね。そういうことはよくあることですが、考え方によっては、最初から最後までまったくダメだった、というよりはマシかもしれませんが。
「竜頭蛇尾」の類義語は?違いは?
「竜頭蛇尾」の類義語として「虎頭蛇尾」がありますが、竜と虎は「竜虎」とセットにされることがありますので、これらの四字熟語は同義語と考えていいでしょう。「竜頭蛇尾」のほうが用語としてはふつうだと思いますが。
そのほかの類義語として、「尻つぼみ」と「尻切れとんぼ」、それに四字熟語の「羊頭狗肉」がありますので、ここで紹介しますね。
「尻つぼみ・尻切れとんぼ」
「尻つぼみ」も「尻切れとんぼ」も、「尻」が含まれている表現ですが、それは「竜頭蛇尾」の「しっぽ」と同じだと考えてくださいね。「尻つぼみ」は、最初のことはともかくとして、最後は良くなかったいうことになりますね。
トンボという昆虫は、大きな目玉をしていて、胸部にはしっかりした脚と大きな羽が生えていますね。そのトンボの尻の部分が切れているのが「尻切れとんぼ」ということですから、最初に比べて最後が中途半端だったということになるでしょう。
彼が会社の事務員として積み上げてきた実績は、尻つぼみだったね。
やりかかったら尻切れとんぼにならないよう、最後までやり抜かねばならない。
「羊頭狗肉」
四字熟語の「羊頭狗肉」の読み方は「ようとうくにく」で、直訳すると「羊の頭と犬の肉」ということになりますね。「竜頭蛇尾」と似ているような似ていないような、妙な四字熟語ですが、肉屋に羊の頭が掛けてあり、この肉屋では羊の肉が手に入るのかと期待したら、犬の肉しかなかったということですね。そう考えると、「羊頭狗肉」は「看板倒れ」という慣用句に言い換えることができますね。
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