この記事では「石橋を叩いて渡る」について解説する。

端的に言えば石橋を叩いて渡るの意味は「用心を重ねて物事を進める」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

中高生に英語や数学など、指導経験豊富なライター要を呼んです。一緒に「石橋を叩いて渡る」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/要

塾講師を5年していた経験がある。留学経験があり、学生時代は留学生と英語でコミュニケーションを取っていた。日本語とは違った英語の感覚をわかりやすく伝える。

「石橋を叩いて渡る」の意味や語源・使い方まとめ

image by iStockphoto

それでは早速「石橋を叩いて渡る」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「石橋を叩いて渡る」の意味は?

「石橋を叩いて渡る」には、次のような意味があります。

1.用心の上にさらに用心を重ねて物事を行うこと。

出典:故事ことわざ辞典「石橋を叩いて渡る」

「石橋を叩いて渡る(いしばしをたたいてわたる)」は、用心しすぎる程に用心深くなるという意味です。「用心する」という意味と、「慎重に物事を進める」という意味も持っています。基本的には、”慎重になる”という良い意味で使われますよ。

ただ、過度に慎重な人や臆病な人に対して、皮肉を込めて使用される場合もあります。「臆病すぎる」や「慎重すぎて面倒」という嫌味ですね。

プラスの意味だけでなく、マイナスの意味としても使われます。

「石橋を叩いて渡る」の語源は?

次に「石橋を叩いて渡る」の語源を確認しておきましょう。

読んだままの意味で、石で作られている橋を叩きながら渡るというシーンが元になっています。昔は木で作られた橋が多く、壊れてしまう可能性がありました。ただ石で作られた橋なら、「木よりもずっと頑丈だから、壊れないだろう」と思ったのです。しかし、頑丈な石橋でも、叩きながら安全性を確認しないと渡れないという人もいました。このような様子から、「用心深い」や「慎重に進める」という意味で用いられるようになったのです。

\次のページで「「石橋を叩いて渡る」の使い方・例文」を解説!/

「石橋を叩いて渡る」の使い方・例文

「石橋を叩いて渡る」は、用心深さを褒めるプラスの表現と、過度な慎重さを皮肉るマイナスの表現ができます。

それでは、「石橋を叩いて渡る」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.石橋を叩いて渡るくらいの気持ちで進めよう
2.石橋を叩いて渡るような人だから、これまで大きなミスをしたことがない
3.石橋を叩いて渡ることも重要だが、時には勝負することも大切だ。

「石橋を叩いて渡る」には、プラスとマイナス、2つの表現ができました。

1つ目と2つ目の例文は、プラスの表現になります。大きなミスにつながらないよう、丁寧に確認をしたり慎重に物事を進めたりする人に使用できますよ。これは、慎重さや用心する姿勢を褒めるというニュアンスが含まれているのです。

3つ目は、相手を皮肉る意味のマイナスの表現になります。過度に用心深いため仕事がスムーズに進められなかったり、臨機応変に対応できなったりする人に対して使いますよ。

話の流れや文脈、相手の表現や声などを元に、2つのニュアンスを見分けることが可能です。慎重になることも大切ですが、慎重すぎる場合には行動に注意する必要がありそうですね。

「石橋を叩いて渡る」という慣用句には、マイナスとプラスの2つの意味があるため、相手に不快な思いをさせないように使ってみてください。

「石橋を叩いて渡る」の類義語は?違いは?

image by iStockphoto

「石橋を叩いて渡る」には、さまざまな類義語があるのです。

例えば、「備えあれば憂いなし」、「念には念を入れよ」、「濡れぬ先の傘」、「用心に怪我なし」、「転ばぬ先の杖」などが挙げられます。

ここでは、「備えあれば憂いなし」について、見ていきましょう。

「備えあれば憂いなし」

「備えあれば憂いなし」は、故事成語の1つと言われています。「普段から備え(準備)をしておくことで、いざという時に心配する必要がない」という意味です。

儒教の経典「五経」の中の「書経」に、「備えがあれば憂いはございません(有備無患)」記載されています。

「憂い」と「患い」の2つの漢字が用いられていますが、どちらも”思い悩む”という意味です。そのため、どちらの漢字を使用しても問題ありません。

\次のページで「「石橋を叩いて渡る」の対義語は?」を解説!/

「石橋を叩いて渡る」の対義語は?

「石橋を叩いて渡る」の対義語として、「一か八か」が挙げられます。意味や例文、語源などを見ていきましょう。

「一か八か」

「一か八か」は慣用句の1つで、「天に運を任せて、思い切って実行してみる」という意味です。「一か八かの大勝負だ」や「一か八か、起業してみよう」などのように使用されます。

いくつか語源となる説がありますが、もともとギャンブルで使われていた言葉だったと言われているのです。ギャンブルでは、1度当たれば大きな利益となるため、運に任せるという意味でぴったりと言えます。

「石橋を叩いて渡る」の英訳は?

image by iStockphoto

「石橋を叩いて渡る」の英訳は、そのまま「石橋を叩いて渡る」と表現する、もしくは「用心深い人」という文章にするという2つの方法があります。それぞれ、詳しく見ていきましょう。

「look before ~ leap」

「look before ~ leap」は、「~は石橋を叩いて渡る」という意味です。「leap」は「飛びつく」という意味があり、飛びつく前によく見るという意味から、用心深いというニュアンスを表します。

具体的な例文としては、「He looks before he leaps.」(彼は、石橋を叩いて渡る)です。

「~ is an extremely prudent person.」

「~ is an extremely prudent person.」では、「~はとても注意深い人だ」という意味の文章です。「prudent」は「賢明、注意深い、余計なリスクを冒さない」などの意味があります。

具体的な例文としては、「You are an extremely prudent person.」(あなたはとても注意深い(賢い)人だ。)です。言い換えとして、「You are extremely prudent.」などもあります。

他にも、「cautious」という単語も使うことが可能です。これは「言動に対して注意深く、リスクを冒さない」という意味になります。

状況によって使う単語を選ぶようにしましょう。

\次のページで「「石橋を叩いて渡る」を使いこなそう」を解説!/

「石橋を叩いて渡る」を使いこなそう

この記事では「石橋を叩いて渡る」の意味・使い方・類語などを説明しました。「石橋を叩いて渡る」は「用心深い」という意味ですが、プラスの意味だけでなく、相手を皮肉ってマイナスの意味でも使われます。使い方によっては失礼に当たる場合もあるので、注意しましょう。

" /> 【慣用句】「石橋を叩いて渡る」の意味や使い方は?例文や類語をWebライターがわかりやすく解説! – Study-Z
国語言葉の意味

【慣用句】「石橋を叩いて渡る」の意味や使い方は?例文や類語をWebライターがわかりやすく解説!

この記事では「石橋を叩いて渡る」について解説する。

端的に言えば石橋を叩いて渡るの意味は「用心を重ねて物事を進める」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

中高生に英語や数学など、指導経験豊富なライター要を呼んです。一緒に「石橋を叩いて渡る」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/要

塾講師を5年していた経験がある。留学経験があり、学生時代は留学生と英語でコミュニケーションを取っていた。日本語とは違った英語の感覚をわかりやすく伝える。

「石橋を叩いて渡る」の意味や語源・使い方まとめ

image by iStockphoto

それでは早速「石橋を叩いて渡る」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「石橋を叩いて渡る」の意味は?

「石橋を叩いて渡る」には、次のような意味があります。

1.用心の上にさらに用心を重ねて物事を行うこと。

出典:故事ことわざ辞典「石橋を叩いて渡る」

「石橋を叩いて渡る(いしばしをたたいてわたる)」は、用心しすぎる程に用心深くなるという意味です。「用心する」という意味と、「慎重に物事を進める」という意味も持っています。基本的には、”慎重になる”という良い意味で使われますよ。

ただ、過度に慎重な人や臆病な人に対して、皮肉を込めて使用される場合もあります。「臆病すぎる」や「慎重すぎて面倒」という嫌味ですね。

プラスの意味だけでなく、マイナスの意味としても使われます。

「石橋を叩いて渡る」の語源は?

次に「石橋を叩いて渡る」の語源を確認しておきましょう。

読んだままの意味で、石で作られている橋を叩きながら渡るというシーンが元になっています。昔は木で作られた橋が多く、壊れてしまう可能性がありました。ただ石で作られた橋なら、「木よりもずっと頑丈だから、壊れないだろう」と思ったのです。しかし、頑丈な石橋でも、叩きながら安全性を確認しないと渡れないという人もいました。このような様子から、「用心深い」や「慎重に進める」という意味で用いられるようになったのです。

\次のページで「「石橋を叩いて渡る」の使い方・例文」を解説!/

次のページを読む
1 2 3 4
Share: