
簡単でわかりやすい電気抵抗による温度上昇!電気を流すと熱くなるのはなぜ?理系ライターが詳しく解説
電気が流れやすいケース
電子が存在できるポジションは限られています。とはいえ、ものすごく制約が厳しいケースと比較的自由に移動できるケースがあるもの。
例えば、金属の場合、電子軌道の都合上、数個の電子が外側をふわふわ自由に存在できます。内側の電子軌道に持っている電子を詰め切れず、余った電子が少数だけ最外殻(一番外側の電子軌道)上にふわふわと存在しているのです。
そのような金属原子がいくつもくっついているのですから、いかにも電子が移動しやすそうですよね。つまり、このような物質は電気抵抗が低く電気が流れやすいものなのです。
電気が流れにくいケース
一方、電子軌道が電子でいっぱいの場合はどうでしょう。頑張って電圧をかけて、電子をおびき寄せようにも相当なパワーが要りますね。このように、電子の移動が大変な物は電気抵抗が高いと言えます。
電気抵抗の定義式~オームの法則~
オームの法則とは「電圧=電流 x 電気抵抗」、言わずと知れた有名な公式。電子の移動のしにくさ「電気抵抗」を数式で定義したものです。
これは「電圧→パワー」「電流→流量」「電気抵抗→流れにくさ」と言い換えましょう。オームの法則が意味するところは、流量(電流)を増やすにはそれに比例して大きなパワー(電圧)が必要。流れにくい(電気抵抗が大きい)ほど、それに比例してパワー(電圧)が必要ということです。
こちらの記事もおすすめ

【物理】「オームの法則」について理系大学院生がわかりやすく解説!3分で簡単電気の基礎
4.電気抵抗による温度上昇
photo: Qurren (talk) – 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 3.0, リンクによる
オームの法則にしたがって電気が流れている限り熱は必ず発生するもの。その熱の大きさも式で定義されています。
ジュール熱
物質に電気を流した時、1秒あたりに発生する熱量がジュール熱。単位はW(ワット)。
ジュール熱は「電流 x 電圧」で表され、電気の流量(電流)が多いほど、またパワー(電圧)が強いほど熱の発生が増えるというもの。納得ですね。
ちなみに、熱量は「ジュール熱 × 熱をかけた時間」で表され、こちらの単位はJ(ジュール)です。ややこしいですね。電流 × 電圧だと単位時間あたりの熱量になるということをおさえておきましょう。
こちらの記事もおすすめ

カロリー、ジュール、ワットなどのエネルギーの単位を理系学生ライターがわかりやすく解説!
\次のページで「電気抵抗とジュール熱」を解説!/