毒とは?「毒殺事件」にはどんなものがあった?元家庭教師がわかりやすく解説
宇都宮毒入りジュース事件
1962年に起きたこの事件は、自分の父親を殺そうとして関係のない近所の子どもを殺してしまうという何とも痛ましい事件でした。犯人は自分の父親に飲ませるつもりで道に毒入りのジュースを6個置いたのです。そのうちふたつは犯人の家族が拾うも飲まず、残り4つは近所の家の家族が飲み、3人の子供が犠牲となりました。
飲料に青酸化合物が混入!無差別殺人事件
1977年1月から2月半ばに起きた無差別殺人事件。東京でシアン化ナトリウム(青酸ソーダ)が混入された飲料を拾って飲んだ男子高校生を皮切りに無差別連続殺人事件が起こります。2人が青酸化合物が混入した飲料を拾って飲んでことによって亡くなりました。3つの目の事件では大阪で起こり、被害者も拾った飲料を飲んで意識不明になりますが一命を取り留めます。しかし、事件が続く中、そんな飲料を飲んでしまって恥ずかしいと自殺してしまいました。
その後、青酸化合物が混入したチョコレートが東京駅などで2回見つかります。ひとつは拾ってすぐに警察に届けたため被害者は出なかったものの、もうひとつは拾った人が食べてしまいましたが命に別状はありませんでした。それ以前にも不審なチョコが東京駅に置かれていたそうですが、このチョコレートと飲料を使った無差別殺人事件の関係は不明です。
この事件は犯人が捕まっておらず、動機も不明なままとなっています。
迷宮入り、パラコート連続殺人事件
1985年の4月から11月にかけて起きたこの事件。全国各地で起きたこの事件は、自販機にあった飲み物を置き忘れと思って飲んだらパラコートやジクワットが混ざっていたというものでした。この頃パラコートが含まれた除草剤は、18歳以上なら手続きをして購入することができたのです。
34件で13人が亡くなりますが犯人が捕まっていないため、同一犯による犯行かは不明。判明しているだけでも3件の模倣犯による犯行がありました。また自作自演のものも起きています。
まるで小説のアリバイトリック、夫が妻を狙うトリカブト保険金殺人事件
1986年に起きた保険金殺人ではトリカブトが使われました。夫婦での旅行の予定が急用で夫が帰った後に妻が死亡するという事件が起きたのです。保険金をかけてすぐの妻の死に保険会社は保険金の支払いを保留します。
それから5年後、別件で夫が逮捕され保険金殺人が疑われました。そこで司法解剖を担当した教授が保管していた血液からトリカブトに含まれるアコニチン、フグ毒に含まれるテトロドトキシンが検出。夫がトリカブトやフグを大量に購入していたこともあり、殺人と詐欺未遂で逮捕されました。
アコニチンは即効性があるのに妻が苦しみだしたのはふたりが分かれてから1時間半以上たってからでした。そのため夫は容疑を否定。しかしアコニチンとテトロドトキシンはお互いの効力を弱め合うことから、お互いに効力を消し合っていたふたつの毒のうち体に残りにくいテトロドキシンが無くなって残ったアコニチンによって妻は亡くなったのです。毒を飲んでから数時間生きていた妻。推理小説に出てきそうなアリバイトリックが実際に行われたという衝撃的な事件でした。
松本サリン事件・地下鉄サリン事件
今までは口から飲み物や食べ物と一緒に摂取する毒殺事件でしたが、こちらは毒ガスによる無差別殺人事件です。神経ガスのサリンを吸い込んだことで死傷者が出た事件で松本サリン事件では7人、地下鉄サリン事件では13人が犠牲となりました。
化学兵器が無差別に使われたこの事件。特に地下鉄サリン事件は世界でも類を見ない化学兵器を使った無差別テロとして世界に衝撃を与えました。
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