
「天孫降臨」にかかわる家系
さて、神様にしては所帯じみており、複雑な人間(神様)関係のある日本神話。「天孫降臨」にはアマテラスとスサノオという、もとは姉弟だった2柱(神様は『柱(はしら)』と数える)の子孫が関わっています。
アマテラス側は2代下のニニギが、まさに「天孫降臨」の当事者ですね。一方スサノオ側では6代下の『オオクニヌシ』が、天孫降臨まで地上を管理していた神、つまりニニギに地上を譲り渡した神です。さらにニニギから下の代には、アマテラスやスサノオと同じく、『イザナギ』『イザナミ』から産まれた山の神と海の神の子孫も関連してくることに。
そしてニニギから3代下の姉弟たちの1人が、初代天皇の『神武天皇』だとされています。とても遠大な物語ですね。
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「天孫降臨」は韓国にもある?
かつて朝鮮半島に存在した「高句麗(こうくり/こぐりょ)」や「百済(くだら/ぺくちぇ)」という国にも、「天孫降臨」とよく似た神話があったそうです。
このことから、『天皇家は朝鮮半島に起源をもつ』という説もあるほど。この『天皇家朝鮮由来説』は、そう断定する決定的な根拠がないように思えます。しかし日本と朝鮮半島との間の人の行き来が、よく似た神話が発祥する要因となったことは、間違いないでしょう。
「天孫降臨」から日本神話に触れるのも一興
この記事では「天孫降臨」について、言葉としての意味と物語をかいつまんで解説しました。
日本神話は古代の日本の物語らしく、神々の名前は見たこともないような感じの羅列で読みにくく、その数も多いため敬遠がちな方も多いかもしれませんね。しかしその物語自体は、神を人と置き換えて想像しても違和感がないほど、ときにはドロドロとした身近な人間味を感じるもの。
この記事が「天孫降臨」の意味を知り、日本神話について調べてみるきっかけになりましたら幸いです。