
1.「天孫降臨」は、朝鮮半島からの移住であるとする説もある。
2.会長の孫が出戻りでいきなり社長に就任するなんて、まるで「天孫降臨」だな。
例文2は社長や会長を神様に例えています。社長といえども同じ人間ですので、崇め奉るのもほどほどに。むしろ行き過ぎたおべっかは慇懃無礼と受け取られかねませんので、すくなくとも本人に直接言いすぎるのは控えたほうがいいでしょう。
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「天孫降臨」に類義語や対義語はある?

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言葉の意味を押さえるには、類義語や対義語を知ることも大切。固有名詞である「天孫降臨」にそうした言葉はありません。しかし『なにか似た意味や反対の意味の言葉はないかな』と考えることは、その言葉の理解を深めるのに役立つでしょう。ここでは「天孫降臨」の類義語と対義語を考えてみます。
「天孫降臨」の類義語として考えられるのは?
「天孫降臨」を『偉人が来る』と言い換えると、それと似た状況を表わすセリフは、「(天皇が)おはしたまふ」と言えそうです。この表現では、「来る」の尊敬語「おはします」と、尊敬の補助動詞「たまふ」が重ねて使われていますね。
昨今では二重敬語は行き過ぎた表現として避けられる傾向がありますが、『必ずしも間違った表現方法ではない』という意見も。特に天皇陛下に対しては、通常の敬語表現よりも強い言い回しが使われるようです。
「天孫降臨」を分解して対義語を考えてみよう!
「天孫降臨」の反対のニュアンスは、どのように表現するのが適当でしょうか。ここでは、「天孫降臨」を「天孫」と「降臨」に分けて考えてみましょう。
「天孫」は『アマテラスの孫』を指しているので、比喩的に「天孫」は『とても偉い存在』とします。次に「降臨」は『神仏が下界に降りてくること』です。これらを前提にすると「天孫降臨」の対義的な意味合いは、『偉くもなんともない人が、上の業界に入ってくる』ということ。これを端的に表現して、この記事では『凡人の成り上がり』を「天孫降臨」の対義表現として提案します。
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