
「できない」「後で回答したい」のスマートな言い換えは?ビジネスにおける類義語の使い方と活用例を校正者がサクッとわかりやすく解説!
「できません」などとストレートに言ってしまうと、「いつも贔屓にしてやっているのに、うちの頼みが聞けないのか!」などと気分を害してしまう方も、もしかしたらいるかもしれません。
かといって、何でもかんでも安請け合いしてしまうというのもトラブルの元です。
日本人は昔から相手の気持ちを思いやって遠回しに伝えたり、オブラートに包んだ言い方をするのが得意ですから、そういった時に便利な表現はたくさんあるのです。
そこで今回の記事では、断りの表現や返事を保留にしたいときの表現とその使い方を、法律事務所の事務職として、弁護士が作成した文書の校正やマニュアル改訂作業を行った経験を持つ筆者が解説します。
「できない」「後で回答したい」のスマートな言い換えとビジネスの場面における活用例

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たとえばビジネスにおける会話やメールの文章などにおいて、「この単語を敬語にしたい」「もっと丁寧な表現で言い換えたい」「少しストレートすぎるので、もっと柔らかい表現にしたい」「文章の中で何度も同じ言葉が出てきてしまう」といったことはありませんか?
そのようなときに、言い換え表現をたくさん知っておくと、とても役に立ちますよ。
言い換え表現を活用することで、より読みやすい文章をつくったり、また相手により良い印象を与えるといったことが可能になります。
取引相手との信頼関係を築くうえでも、非常に重要ですね。
断りの言葉の言い換え表現

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それでは以下に、主にビジネスの場面で活用できる断りの言い換え表現と、その使用例を挙げていきます。
相手の依頼を断りたいとき、単に「できません」と言ってしまうのではなく、なぜできないのかという理由を明確に伝えることがポイントです。
たとえば別の予定が詰まっていて忙しい、期日までに手配が間に合わない可能性がある、など、「引き受けたいけれど、あいにく理由があってできない」ということを伝えましょう。
そうすれば、相手も無下に断られたわけではないことが分かり、納得することができますよね。
また、「今はできないけれど来週であればできる」などの事情があれば、それをあわせて相手に伝えると誠意が感じられて好印象です。
さらに丁寧に伝えたい場合には、「申し訳ありませんが」「大変恐縮ながら」「あいにく」などの言葉を前につけることによって、申し訳なく思っている気持ちを伝えることができますよ。
1. 「忙しい」の言い換え表現
たとえば「忙しい」ということを理由にして何かを断るという場面においては、「多忙」「繁忙」「立て込んでいる」といった類語を用いると、より丁寧な印象を与えることができます。
たとえば以下のように伝えてみましょう。
「大変恐縮ながら、現在繁忙期でして、すでに予約で満員です。」
「今週はあいにくスケジュールが詰まっておりまして、来週以降でしたら対応できるのですがいかがでしょうか。」
「本日は多忙でこれ以上予定を入れることができませんが、来週以降であればゆっくり時間を取ってお話しできます。」
「申し訳ございませんが今月は予定が立て込んでおりまして、来月あらためてご連絡を差し上げてもよろしいでしょうか。」
2. 「難しい」の言い換え表現
上記と同様に「何かの事情があって難しい」ということを伝えたい場面であれば、以下のような表現に言い換えると良いかもしれません。
「製品の在庫がないため、今週中の発送についてはお約束できかねます。」
「現在在庫を手配している状態のため、来週のお届けとなる可能性がございます。」
「最短でお届けできるよう手配しておりますが、今週中の発送には間に合わない可能性がございます。」
返事を保留にしたい場合の言い換え表現
次に、少し考えたり調べたりする時間が欲しいのですぐに返事ができないということを伝えたい場合には、もちろんそのまま言ってもいいですし、「熟考」「吟味」などの言葉を使ってもよいですね。
たとえば以下のように言うことができます。
「ご提案の件については、よく考えてからお返事させてください。」
「その件については、熟考の上ご連絡します。」
「申し訳ありませんが、よく吟味した上でないとお返事できかねます。」
「その件について、今詳しいことを調べている最中のため、今しばらくお待ちください。」
「あいにく手配に時間がかかっておりまして、もう少々お時間を頂戴できますでしょうか。」
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