この記事では「猿も木から落ちる」について解説する。

端的に言えば猿も木から落ちるの意味は「どんなに上手なものでも、時には失敗することがある」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

中高生に英語や数学など、指導経験豊富なライター要を呼んです。一緒に「猿も木から落ちる」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/要

塾講師を5年していた経験がある。留学経験があり、学生時代は留学生と英語でコミュニケーションを取っていた。日本語とは違った英語の感覚をわかりやすく伝える。

「猿も木から落ちる」の意味や語源・使い方まとめ

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「猿も木から落ちる」ということわざは、とても有名ですね。誰もが聞いたことがあるのではないでしょうか。意味も覚えやすいので、よく理解している方もたくさんいます。ただ、実際に使った経験がある方は少ないですよね。

そこで、「猿も木から落ちる」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「猿も木から落ちる」の意味は?

「猿も木から落ちる」ということわざには、次のような意味があります。

1.木登りがじょうずな猿でも時には誤って落ちる。その道にすぐれた者でも、時には失敗することがあるということのたとえ。

出典:goo辞典「猿も木から落ちる」

「猿も木から落ちる」は、木登りが得意なサルでも、時には失敗してしまうという様子を表しています。そこで、名人や達人であっても、失敗することがあるという例えです。また、どんなにその道を究めたとしても、失敗することがあるから”油断してはいけない、最新の注意が必要"というニュアンスが含まれています。

このことわざは、名人のような人がした珍しい失敗にも、普通の人が起こすミスにも使うことが可能です。そのため、使い方によって、少しずつニュアンスが変わる表現になります。

「猿も木から落ちる」の語源は?

次に「猿も木から落ちる」の語源を確認しておきましょう。

実は、明確な由来はわかっていないのです。当然のように存在するため、ことわざが誕生した時期やきっかけなどはわかりません。

ただ、江戸時代に作られた俳諧撰集「鷹筑波」には、「猿も木から落るたとへの木葉かな」と記述が確認されています。そのため、江戸時代よりも昔からあることわざということですね。

\次のページで「「猿も木から落ちる」の使い方・例文」を解説!/

「猿も木から落ちる」の使い方・例文

「猿も木から落ちる」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.(ミスをした人に対して)猿も木から落ちるというのだから、気にしない方がいいよ!
2.(ミスをした人に対して)猿も木から落ちるって言うでしょ!そんなときもあるよ!

「猿も木から落ちる」は、失敗した人に対して「しょうがいないよ」とフォローしたり、「気にするな!」と励ましたりする表現です。木登りがうまい猿を例えに出して、「上手い人でも失敗するのだから」というニュアンスを伝えています。

猿は木登りが上手いというイメージがあり、とてもわかりやすい表現ですね。

ただ一方で、名人や達人に対して使用すると、失礼にあたるという点です。名人や達人を猿に例えるのですから、プラスの印象は持ってもらえません。また、「猿でもわかる」と、猿は頭が悪いというイメージもあるため、馬鹿にしている印象を与えてしまうのです。さらに、名人や達人に対してフォローや励ましの言葉を送ることで、上から目線になってしまう可能性もあります。そのため、目上の人に対して使う際には注意しましょう。

「猿も木から落ちる」の類義語は?違いは?

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「猿も木から落ちる」の類義語は、豊富にあります。

具体的には、「上手の手から水が漏れる(じょうずのてからもみずがもる)」や「千慮の一失(せんりょのいっしつ)」、「竜馬の躓き(るうめのつまづき)」、「釈迦にも経の読み違い(しゃかにもきょうのよみまちがい)」、「麒麟の躓き(きりんのつまづき)」「孔子の倒れ(くじのたおれ)」などです。

ここでは、よく聞く「河童の川流れ」と「弘法にも筆の誤り」という2つの類義語についてご紹介していきます。

「河童の川流れ」

「河童の川流れ(かっぱのかわながれ)」は、「猿も木から落ちる」と同様に「どんなに上手な人であっても、たまには失敗する」という表現です。とても泳ぎが上手い河童でも、川に流される=失敗するということを表しています。

ただ、河童は人をおぼれさせるという妖怪です。そのため、マイナスのイメージを持つ河童に例えるには、あまり良くないとされています。

\次のページで「「弘法にも筆の誤り」」を解説!/

「弘法にも筆の誤り」

「弘法にも筆の誤り(こうぼうにもふでのあやまり)」とは、名人であっても間違えたり失敗したりすることがあるという意味です。「猿も木から落ちる」と同じ意味を持っていますが、より堅い表現になっています。そのため、目上の人に尊敬の意を込めて使いたい時にはとてもおすすめです。

「猿も木から落ちる」はわかりやすいので、子どもに対して使いましょう。一方、「弘法にも筆の誤り」の場合には、大人に対して、名人や目上の人に対しても使える表現と言えます。

「猿も木から落ちる」の対義語は?

「猿も木から落ちる」の対義語としては、「愚者にも一得」が挙げられます。詳しい意味を見ておきましょう。

「愚者にも一得」

「愚者にも一得(ぐじゃにもいっとく)」とは、「愚かな者であっても、たまには採用すべき優れた考え方をする」という意味です。

中国の史記に記載されている「知者も千慮(せんりょ)に必ず一失あり、愚者(ぐしゃ)も千慮に必ず一得(いっとく)あり」という文章が由来とされています。

「猿も木から落ちる」の英訳は?

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「猿も木から落ちる」の直訳をしても、「上手い人でも失敗することがある」という例えを表すことはできません。「Even monkeys fall from trees.」は、「たまには猿も木から落ちる」という普通の文章になってしまいます。

そのため、「猿も木から落ちる」ということわざと同じ意味を表す表現を見ていきましょう。

「Homer sometimes nods. 」

Homer sometimes nods. 」は、「ホーマーでも、ときどき居眠りをする」という意味です。

ホーマーとは、『イーリアス』や「オデュッセイア」の作者と言われているギリシャの詩人と言われています。大詩人であっても、失敗することがあるという例えを表しますよ。

「Nobody's perfect. 」

Nobody's perfect. 」は、「完璧な人はいない」という意味です。「完璧な人はいないよ。(大丈夫だよ、気にすることはないよ)」という励ましの言葉ですね。

ことわざ的な表現ではありませんが、「猿も木から落ちる」で伝えたいフォローや励ましの意味を表すことができます

他にも、さまざまな言い方で励ましたり、フォローしたりすることができますよ。

\次のページで「「猿も木から落ちる」を使いこなそう」を解説!/

We all make mistakes.
私たちは誰もがみな、間違いを犯します。

It happens to the best of us.
それは誰にでもあることだよ。

Even experts can make a mistake.
専門家でさえミスをすることがあります。

「猿も木から落ちる」を使いこなそう

この記事では「猿も木から落ちる」の意味・使い方・類語などを説明しました。「猿も木から落ちる」は、上手い人でも失敗するという例えですが、失敗した人をフォローしたり、励ましたりするニュアンスがあります。

主に子供に使われる表現なので、大人に対して使う際には注意しましょう。

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国語言葉の意味

【慣用句】「猿も木から落ちる」の意味や使い方は?例文や類語をWebライターがわかりやすく解説!

この記事では「猿も木から落ちる」について解説する。

端的に言えば猿も木から落ちるの意味は「どんなに上手なものでも、時には失敗することがある」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

中高生に英語や数学など、指導経験豊富なライター要を呼んです。一緒に「猿も木から落ちる」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/要

塾講師を5年していた経験がある。留学経験があり、学生時代は留学生と英語でコミュニケーションを取っていた。日本語とは違った英語の感覚をわかりやすく伝える。

「猿も木から落ちる」の意味や語源・使い方まとめ

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「猿も木から落ちる」ということわざは、とても有名ですね。誰もが聞いたことがあるのではないでしょうか。意味も覚えやすいので、よく理解している方もたくさんいます。ただ、実際に使った経験がある方は少ないですよね。

そこで、「猿も木から落ちる」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「猿も木から落ちる」の意味は?

「猿も木から落ちる」ということわざには、次のような意味があります。

1.木登りがじょうずな猿でも時には誤って落ちる。その道にすぐれた者でも、時には失敗することがあるということのたとえ。

出典:goo辞典「猿も木から落ちる」

「猿も木から落ちる」は、木登りが得意なサルでも、時には失敗してしまうという様子を表しています。そこで、名人や達人であっても、失敗することがあるという例えです。また、どんなにその道を究めたとしても、失敗することがあるから”油断してはいけない、最新の注意が必要”というニュアンスが含まれています。

このことわざは、名人のような人がした珍しい失敗にも、普通の人が起こすミスにも使うことが可能です。そのため、使い方によって、少しずつニュアンスが変わる表現になります。

「猿も木から落ちる」の語源は?

次に「猿も木から落ちる」の語源を確認しておきましょう。

実は、明確な由来はわかっていないのです。当然のように存在するため、ことわざが誕生した時期やきっかけなどはわかりません。

ただ、江戸時代に作られた俳諧撰集「鷹筑波」には、「猿も木から落るたとへの木葉かな」と記述が確認されています。そのため、江戸時代よりも昔からあることわざということですね。

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