この記事では「豚に真珠」について解説する。

端的に言えば豚に真珠の意味は「価値のわからない物に与えても意味がない、ムダである」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

中高生に英語や数学など、指導経験豊富なライター要を呼んです。一緒に「豚に真珠」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/要

塾講師を5年していた経験がある。留学経験があり、学生時代は留学生と英語でコミュニケーションを取っていた。日本語とは違った英語の感覚をわかりやすく伝える。

「豚に真珠」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「豚に真珠」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「豚に真珠」の意味は?

「豚に真珠」には、次のような意味があります。

1.値打ちがわからない者には、どんなに価値のあるものを与えても意味がなく、むだであることのたとえ。

出典:故事ことわざ辞典「豚に真珠」

「豚に真珠」は、小学校3年生で学ぶ代表的なことわざです。誰もが聞いたことがあると言っても過言ではないほど、有名なものと言えます。

どんなに価値があるものでも、その価値を知らない・わからない者には意味がないということを例えを表していますね。「無駄だ」という例えでもあります。

人間にとっては価値があっても、動物にその価値はわからないという状況を表していますね。

「豚に真珠」の語源は?

次に「豚に真珠」の語源を確認しておきましょう。

「豚に真珠」の語源は、聖書と言われています。新約聖書「マタイによる福音書」に登場するイエス・キリストの説教の1つです。

「神聖なものを犬に与えてはならず、また豚に真珠を投げてはならない」という記述があります。この文章が由来と言われているのです。聖書では、その文章のあとに「(もしそんなことをすると)それを踏みにじり、向き直ってあなた方にかみついてくるだろう」と続いています。

\次のページで「「豚に真珠」の使い方・例文」を解説!/

「豚に真珠」の使い方・例文

「豚に真珠」の使い方を例文を使って見ていきましょう。

ここでは、1. プレゼントをあげる、2. 芸術品や歴史品に関する会話、3. 物を上手く使いこなせない、という3つのシーンに分けて例文をご紹介します。

1.小学生に辞書を買い与えても、スマートフォンで調べてしまうから豚に真珠だよ。
2.彼は漫画しか読まないから、美術のすばらしさを語っても豚に真珠である
3.普段、使わないものを買っても、豚に真珠。

1つ目は、価値のある物や高い物をプレゼントしたとしても、喜んでもらえない様子を表しています。プレゼントしても無駄だというニュアンスを例えることが可能です。

2つ目は、価値のある芸術品や歴史品であっても、価値をわからない人にとっては無駄なものとなります。そのため、「素晴らしさ」を理解しない様子を表すことができますよ。

3つ目は、上手く使えば便利なものでも、使えない人が持っても無駄だという意味を表しています。

価値がわからない、無駄だという意味を表す際に使えますよ。

ただ、洋服や高価なものが「似合わない」という表現はできません。その際には「馬子にも衣装」という表現がおすすめです。

「豚に真珠」の類義語は?違いは?

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「豚に真珠」の類義語には、「猫に小判」や「馬の耳に念仏」ということわざがあります。類義語も「豚に真珠」と同様に、広く知られていることわざですね。

ことわざの意味だけでなく、細かい違いについてもチェックしておきましょう。

「猫に小判」

「猫に小判」は、「値打ちのかわらない者に、価値があるものを与えても無駄だ」という意味です。「豚に真珠」とほとんど同じ意味があります。ただ、「豚に真珠」のようがマイナスな印象を与えてしまうため、普段使い際には「猫に小判」がおすすめです。

「猫に小判」は、いろはかるたの1つになります。そのため、日本由来のことわざと言えそうです。

\次のページで「「馬の耳に念仏」」を解説!/

「馬の耳に念仏」

「馬の耳に念仏」とは、「人の話や意見を聞かない。少しも効果がない。」という様子を表しています。馬は、人の言葉で念仏を唱えても、まったく理解できません。そのため、ありがたい念仏でも、聞いていないので効果がないというニュアンスになります。

また、「念仏のありがたみがわからない愚かな人」というニュアンスも含んでいるのです。そのため、目上の人に使うと失礼にあたるため、注意してくださいね。

「豚に真珠」の対義語は?

「豚に真珠」の対義語としては、「鬼に金棒」や「火に油を注ぐ」などがあります。

対義語と言っても、ある物にさらにプラスされるというニュアンスを表すものです。具体的に、意味やニュアンスを見ていきましょう。

「鬼に金棒」

「鬼に金棒」は、「強い物がより一層強くなる」という様子を表したことわざです。鬼はとても強いというイメージがありますが、金棒を持つことでさらに強くなる状況を表しています。

「豚に真珠」は無駄である様子を例えていますが、「鬼に金棒」は似合う様子、強くなる=プラスになる様子を表現していますね。

例えば、「昨年優勝したチームに、海外の選手が加わったら、鬼に金棒だ」と使うことが可能です。

「火に油を注ぐ」

「火に油を注ぐ」とは、「勢いのあるものが、さらに勢いを持つ」という様子を表すことわざです。火に油を加えると、火の勢いが増す様子を思い浮かべられるので、わかりやすいですね。

これは、否定的な事に対して使われる表現です。例えば、「約束を破ったあげく、それをごまかすなんて、火に油を注ぐようなものだ」と使うことができます。

「豚に真珠」の英訳は?

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「豚に真珠」は、もともと聖書に書かれていた文章が語源なので、由来の英語表現が存在します。

他にも、「無駄だ」、「価値がかわらない」という意味を表す表現についても見ていきましょう。

「Cast not pearls before swine.」

「Cast not pearls before swine.」は、「真珠を豚に投げ与えてはいけない」という意味です。これは聖書に記載されている原文となります。

動詞「cast」は「○○」を投げる、「swine」は「豚」という意味です。

「Cast pearls before swine.」では、「豚に真珠」という意味に近く、「豚に真珠を投げ与える」という文章になります。つまり、高い物を、その価値のわからない者(豚)に差し出すというニュアンスを表す表現です。

他にも、3つの表現があります。

\次のページで「「He doesn't know how much it's worth.」」を解説!/

It's like casting pearls before swine.
豚に真珠だ。

Don't cast pearls before swine.
豚に真珠をやったはいけない。

You shouldn't cast pearls before swine.
豚に真珠を与えるようなことはすべきではない。

「He doesn't know how much it's worth.」

「He doesn't know how much it's worth.」は、「彼は、それがどのくらいの価値を持っているのか知らない」という文章です。「worth」は「価値がある」という意味の形容詞になります。

「価値がわからない」という表現を作ることで、「豚に真珠」ということわざが持つニュアンスを表すことができるのです。

「豚に真珠」を使いこなそう

この記事では「豚に真珠」の意味・使い方・類語などを説明しました。「豚に真珠」は「価値がわからない」、「無駄である」という様子を表すことわざです。聖書が由来なので、直訳で英語の表現を作ることができますよ。

日本では、「猫に小判」のほうが日常的に使われています。「豚」にはマイナスのイメージがあるので、使う際には少し注意が必要です。

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国語言葉の意味

【慣用句】「豚に真珠」の意味や使い方は?例文や類語をWebライターがわかりやすく解説!

この記事では「豚に真珠」について解説する。

端的に言えば豚に真珠の意味は「価値のわからない物に与えても意味がない、ムダである」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

中高生に英語や数学など、指導経験豊富なライター要を呼んです。一緒に「豚に真珠」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/要

塾講師を5年していた経験がある。留学経験があり、学生時代は留学生と英語でコミュニケーションを取っていた。日本語とは違った英語の感覚をわかりやすく伝える。

「豚に真珠」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「豚に真珠」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「豚に真珠」の意味は?

「豚に真珠」には、次のような意味があります。

1.値打ちがわからない者には、どんなに価値のあるものを与えても意味がなく、むだであることのたとえ。

出典:故事ことわざ辞典「豚に真珠」

「豚に真珠」は、小学校3年生で学ぶ代表的なことわざです。誰もが聞いたことがあると言っても過言ではないほど、有名なものと言えます。

どんなに価値があるものでも、その価値を知らない・わからない者には意味がないということを例えを表していますね。「無駄だ」という例えでもあります。

人間にとっては価値があっても、動物にその価値はわからないという状況を表していますね。

「豚に真珠」の語源は?

次に「豚に真珠」の語源を確認しておきましょう。

「豚に真珠」の語源は、聖書と言われています。新約聖書「マタイによる福音書」に登場するイエス・キリストの説教の1つです。

「神聖なものを犬に与えてはならず、また豚に真珠を投げてはならない」という記述があります。この文章が由来と言われているのです。聖書では、その文章のあとに「(もしそんなことをすると)それを踏みにじり、向き直ってあなた方にかみついてくるだろう」と続いています。

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