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こうして細菌による感染症がペニシリンによって抑えられるようになったのですが…しばらくすると、細菌の中にはペニシリンに耐性を持つもの(薬剤耐性菌)が現れるようになりました。
すると研究者は、ペニシリン耐性をもつ細菌にも効くような新しい薬剤を作り出します。しかし、その薬剤にも大勢をもつ細菌が現れて…というように、細菌と抗生物質や薬剤の関係はいたちごっこの状態です。
最近は、耐性菌が現れる可能性を十分考慮し、抗生物質をむやみに使用しないことが大切であるといわれています。
“偶然”とフレミング
奇跡のような“偶然”によって大きな功績を残したフレミング。彼には運の良さもありましたが、それ以上に鋭い観察眼をもった人物だったことが発見につながりました。
「小さな変化を放っておかない」「偶然を見逃さない」…当たり前のように大切なことですが、これをやろうとするとなかなか難しいですよね。
ノーベル賞も受賞したフレミングはまごうことなき一流の学者でしたが、次のような謙虚な言葉も残しています。
”Nature makes penicillin; I just found it.”
(ペニシリンは自然がつくった。私はそれを見つけただけだ。)