
1~2族と12~18族に属する「典型元素」を元研究員がわからりやすくわかりやすく解説
4-1.第 13 族元素の特徴
第 13 族の元素は価電子が 3 個で 3 価の陽イオンになりやすいです。しかし、B(ホウ素)は原子が非常に小さいため安定な陽イオンを作らず、共有結合を形成することが多いという特徴があります。さらに、Tl(タリウム)は 1 価の陽イオンの方が安定です。
第 13 族の中でも Al(アルミニウム)は両性元素で酸とも塩基とも反応したり、透明な酸化物を形成し内側が酸化するのを防いだり、イオン化傾向が大きいが濃硝酸には不動態を形成し解けなかったり、様々な固有の特徴があるので覚えておきましょう。
また、第 13 族の元素は一部で炎色反応を示します。以下に元素と炎色反応の色をまとめましょう。
Ga(ガリウム) 青色
In(インジウム) 藍色
Tl(タリウム) 淡緑色
5.第 14 族「炭素族」の元素
周期表で左から 14 番目の列である、第 14 族を炭素族といいます。
炭素族は原子番号 6 の C(炭素)、原子番号 14 の Si(ケイ素)、原子番号 32 の Ge(ゲルマニウム)、原子番号 50 の Sn(スズ)、原子番号 82 の Pb(鉛)です。
うち金属元素は Ge(ゲルマニウム)、Sn(スズ)、Pb(鉛)になります。
5-1.第 14 族元素の特徴
第 14 族の元素は最外殻に電子が 4 個と空席が 4 個あり、最大 4 個の原子と結びつくことができます。直線的や平面的さらには立体的にもつながることができ、さまざまな構造を作ることができるという大きな特徴があるのです。
特に C(炭素)は、わたしたちの身体を構成しているタンパク質を作るアミノ酸の骨格部分を担う大変重要な元素ですね。有機化合物は全て C(炭素)を骨格とする化合物です。
Si(ケイ素)も最大 4 個の原子と結びつくことができ、ガラスやセメントなどの材料として活躍してきました。20 世紀を過ぎてからは半導体や太陽電池にも利用されていて、わたしたちの生活に密接に関係している元素です。
Sn(スズ)とPb(鉛)は両性元素ということも、覚えておくといいでしょう。
また、第 14 族の元素は一部で炎色反応を示します。 以下に元素と炎色反応の色をまとめましょう。
Sn(スズ) 淡紫色
Pb(鉛) 淡青色
6.第 15 族「窒素族」の元素
周期表で左から 15 番目の列である、第 15 族を窒素族といいます。
窒素族は原子番号 7 の N(窒素)、原子番号 15 の P(リン)、原子番号 33 の As(ヒ素)、原子番号 51 の Sb(アンチモン)、原子番号 83 の Bi(ビスマス)です。
うち金属元素は Sb(アンチモン)、Bi(ビスマス)になります。
6-1.第 15 族の元素の特徴
第 15 族の元素は、最外殻に電子を 5 つ持っていますが、3 価の陰イオンになりやすいとは一概に言えません。N(窒素)と P(リン)の価電子はイオンを作らず共有結合を作ります。また、As(ヒ素)、Sb(アンチモン)、Bi(ビスマス)は共有結合性と金属との性質を併せ持つ物性を示し、酸化数は + 3 と + 5 が安定なので覚えておきましょう。
単体は N(窒素)のみが常温常圧で気体であり、他は固体になります。P(リン)は同素体を持つめずらしい元素です。
また、第 15 族の元素は一部で炎色反応を示します。以下に元素と炎色反応の色をまとめましょう。
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