
1~2族と12~18族に属する「典型元素」を元研究員がわからりやすくわかりやすく解説
2.典型元素と遷移元素

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言葉の意味を国語辞典でひくと、典型とは型にはまっているという意味があり、遷移とは移り変わるという意味があります。ではここで、典型元素と遷移元素の違いをまとめておきましょう。
2-1.典型元素の特徴
典型元素とは 1 族 2 族と 12 ~ 18 族の元素で、金属元素と非金属元素が約半数ずつ含まれます。同族元素(縦に並んでいる元素)の価電子数( 18 族以外の最外殻に入っている電子の数)は同じなので、化学的性質がよく似ているのです。
そして、18 族以外の価電子数は、族の番号の 1 の位の数と同じことを覚えておきましょう。
化合物の結晶は白色のものが多く、イオンは無色のものが多いです。
2-2.遷移元素の特徴
遷移元素とは 3 ~ 11 族の元素で、すべて金属元素です。価電子数はどれも 1 個か 2 個で、同じ周期の隣り合う元素どうし化学的性質が似ているものが多いという特徴があります。
化合物の種類によって複数の酸化数を取る元素が多く、内側の殻にある電子も一部価電子として働くものがあるのです。
また、典型元素と違い有色のイオンが多く見られます。そして密度が大きいものが多く、融点が高いものが多い事も特徴です。
3.第 12 族「亜鉛族」の元素
ではここから、典型元素について同族元素(周期表で縦に並ぶ元素)で括って学んでいきましょう。典型元素の第 1 族(アルカリ金属)、第 2 族(アルカリ土類金属)、第 17 族(ハロゲン)、第 18 族(希ガス)については下に紹介した「同族元素」の記事をご参照ください。ここからは、それ以外の典型元素である 12 族~ 16 族について解説しましょう。
周期表で左から 12 番目の列である、第 12 族を亜鉛族といいます。
亜鉛族は原子番号 30 の Zn(亜鉛)、原子番号 48 の Cd(カドミウム)、原子番号 80 の Hg(水銀)です。
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3-1.第 12 族元素の特徴
第 12 族の元素は、価電子が 2 個で 2 価の陽イオンになりやすいです。それ以外に特徴が似ていないので、実は遷移元素に分類されていたこともありました。現在は、第 12 族の元素は全て最外殻に入っている電子が 2 個で、それより内側の殻は電子で満たされているため、典型元素に分類されます。
Zn(亜鉛)は両性元素といって酸とも塩基とも反応するという特徴があるのです。そして、必須ミネラルに分類され人体に必要な栄養素として知られています。しかし同族の、Cd(カドミウム)は公害病の原因になった金属で人体に有害であり、Hg(水銀)も公害病の原因であり人体に害をもたらす元素です。
Hg(水銀)は常温常圧で単体が液体の金属であるという特異な特徴を持つので、覚えておきましょう。
4.第 13 族「ホウ素族」の元素
周期表で左から13番目の列である、第13族をホウ素族といいます。
ホウ素族は原子番号 5 の B(ホウ素)、原子番号 13 の Al(アルミニウム)、原子番号 31 の Ga(ガリウム)、原子番号 49 の In(インジウム)、原子番号 81 の Tl(タリウム)です。
ホウ素を除いた 5 つの金属元素を土類金属と呼ぶこともあります。
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