元素に規則性を見つけたメンデレーエフの周期表をわかりやすく元研究員が解説
3.周期表のその他のグループ分け
周期表は、縦に見ることで、化学的性質がよく似ている元素を見つけられることを学びました。その他にも共通の性質や特徴を持った元素をグループに分けることができます。
まず、金属元素と非金属元素にグループ分けをしてみましょう。
3-1.金属元素と非金属元素
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金属元素は元素全体の約 80 % ほどです。金属元素の単体は金属光沢があり、熱や電気を伝えやすいという性質を持っています。また、周期表で左下にある元素ほど陽イオンになりやすい性質が強いです。
対して非金属元素は、常温常圧で固体や気体の単体が多いという特徴があります。そして単体は熱や電気を伝えにくいです。また、周期表で右上にある元素ほど(希ガスは除く)陰イオンになりやすいという性質もあります。
金属元素と非金属元素のグループ分けは、化学結合を考えるときに便利なので、大体こんな形だったかなと覚えておきましょう。
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3-2.典型元素と遷移元素
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典型元素は 1 ~ 2 族と 12 ~ 18 族の元素の事で金属元素と非金属元素が約半分ずつ含まれています。同族元素どうしは価電子数が同じなので、化学的特徴はよく似ているのです。
対して、遷移元素は 3 ~ 11 族の元素を指していて、すべて金属元素になります。価電子数は 1 個か 2 個であり、同周期の隣り合う元素と化学的性質が似ていることが多いです。
「典型」元素は今までお話してきたルールに従っていると考えていい元素で、「遷移」元素はそのルールに従っていない元素と考えていいでしょう。
「メンデレーエフ」が考えた「周期表」とは元素を性質ごとに分類しわかりやすくしたもの
周期表は元素を原子番号順に並べて、周期的に表れる特徴が似ている元素を縦に並べたものです。
周期表はロシアの化学者メンデレーエフが発表しました。当初はあまり価値を認められませんでしたが、メンデレーエフが予想した元素が発見されるたびに、注目されるようになっていくのです。
周期表は電子配置を考えたときに、価電子の数が同じ元素が縦に並ぶように配置されています。価電子の数は化学結合できる電子の数なので、原子の性質を決めるとても大きな役割を担っているのです。
元素を覚えるときは、原子番号順の他に、同じ特徴を持つ同族元素もまとめて覚えておくと役に立ちます。
さらに金属元素と非金属元素の分け方を知っておくと、化学結合を考えるときに便利になり、遷移元素と典型元素の分け方を知っておくと、価電子の数を考えるときに便利です。