元素に規則性を見つけたメンデレーエフの周期表をわかりやすく元研究員が解説
1-4.周期表と電子配置(2)
image by Study-Z編集部
電子配置について学んだところで、再び周期表を見てみます。すると、原子の最外殻に入っている電子数(価電子と言います)が等しいものが縦に並んでいることに気づくでしょう。
周期表を縦に見ていくと、一番左側の1 族は価電子を 1 個持つ原子が並んでいます。同様に 2 族は価電子が 2 個、第 3 族から第 12 族を飛ばし(遷移元素と12族は価電子の数が違うので)、13 族は価電子が 3 個です。※遷移元素については3-2.で解説します。
そして、一番右側の 18 族は、最外殻に入っている電子の数が、ヘリウムは 2 個それ以外は 8 個で安定していることが分かるでしょう。
余談ですが、最外殻に入っている電子の数が満席の時は価電子の数は 0 と表現します。なぜなら、価電子には他の元素と化学結合できる電子の数という意味もあるからです。
水素が 1 族でヘリウムが 18 族なのは、電子配置の一番内側である K 殻に入ることができる最大の個数が 2 個しかなく、価電子の数が同じ(18 族は最外殻が満席で安定している)元素を縦に配列したいので、このような配置になっています。
価電子数が少なければ電子を失いやすく、価電子数が多ければ逆に電子をひきつけやすくなるのです。前述しましたが、価電子の数は化学結合できる電子の数でもあり、原子の性質を決めるとても大きな役割を持っています。
こちらの記事もおすすめ
原子と分子をつなぐ「化学結合」について元塾講師がわかりやすく解説
2.周期表の見方と覚え方
image by Study-Z編集部
周期表と原子の構造と電子配置の関係がわかったので、次は周期表の見方についてお話しましょう。周期表の横の行を第〇周期、縦の列を第〇族といいます。
先ほども触れましたが、「縦に並んでいる元素=同じ族」の元素は同族元素と呼び、価電子の数が同じなので化学的性質がよく似ているのです。
2-1.原子番号順の覚え方
冒頭でも「水兵リーベ…」と出しましたが、原子番号が小さい元素は頻繁に出てくるので、覚えておくと便利です。ここでは原子番号 1 番の水素から原子番号 20 番のカルシウムまでの覚え方の一例をご紹介します。
すい(H)へい(He)リー(Li)ベ(Be)ぼ(B)く(C)の(N O)ふ(F)ね(Ne)
な(Na)まが(Mg)ある(Al)シッ(Si)プ(P)ス(S)クラ(Cl)アー(Ar)ク(K)か(Ca)
語呂合わせなので意味はありませんが、無理やりストーリーを作るなら
「リーベという名前の水兵さんが、ボクの船だよと船を見せてくれました。生(魚?ビール?)があると船に乗せてもらったら、遠くから別の船(シップス)が近づいてきたのです。かなり遠いから確信は持てないけど友達のクラアークかもしれないな?」
という感じでしょうか?
2-2.同族元素の覚え方
周期表について学んだ皆さんは「なぜ原子番号順に覚えるんだろう?縦の列に並んでいる仲間が似ている性質を持っているのなら、縦の列で覚えればいいのに。」と思われたことでしょう。
そうなんです。性質が似ているものを一括りに覚えたほうが役に立ちますよね。それなので、同族元素を覚える語呂合わせもご紹介しましょう。
同族元素のことは他でくわしく解説しますが、特に重要なのが第 1 族(水素を除きアルカリ金属といいます)、第 2 族(ベリリウムとマグネシウムを除きアルカリ土類金属)、第 17 族(ハロゲン)、第 18 族(希ガス)です。
では覚え方の一例をご紹介します。
第 1 族 アルカリ金属(水素は違うけれど第 1 族なので一緒に覚えます)
ハイで(H)リッチ(Li)な(Na)彼らから(K)ルビーを(Rb)せしめて(Cs)フランスへ(Fr)
第 2 族 アルカリ土類金属(ベリリウムとマグネシウムは違うけれど第 2 族なので一緒に覚えます)
ベー(Be)マグに(Mg)カ(Ca)ストロの(Sr)バ(Ba)ラを(Ra)
第 17 族 ハロゲン
ふっ(F)くら(Cl)ブラ(Br)アイ(I)あたたかい(At)
第 18 族 希ガス
へん(He)ね(Ne)ある(Ar)栗(Kr)着せた(Xe)ラン(Rn)
再びになりますが、語呂合わせなので意味はないです。好きなように覚えやすい語呂合わせを考えてもいいですね。
\次のページで「3.周期表のその他のグループ分け」を解説!/