元々は仏教の言葉だった?
次に、「粉骨砕身」の語源について見ていきましょう。
「粉骨砕身」という言葉が初めて出てくるのは、中国・元王朝の時代の1307年に成立した『禅林類聚』という仏教・禅宗の書物です。この『禅林類聚』の一節に「粉骨砕身するも、此の徳に報じ難し」という一節があります。この一節は「たとえ骨を粉になるまで削り身を砕くほど頑張っても、仏のありがたいご恩に報いるのは難しい」という意味です。
この『禅林類聚』は、日本では1650年代以降の江戸時代に日本語訳されたものが広がっていきました。よって日本語としては、江戸時代以降に使われるようになった言葉かもしれませんね。
「粉骨砕身」の使い方を解説!
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続いて、「粉骨砕身」の使い方を例文とともに確認していきましょう。「粉骨砕身」は、「粉骨砕身する」という動詞の形で使用することも、「粉骨砕身の精神」のように名詞として使用することもできます。
1.(上司から大事な仕事を任されて)「皆さんの期待に応えられるよう、粉骨砕身いたします。」
2.野球部は甲子園出場に向け、粉骨砕身の精神で毎日練習に励んでいる。
3.A国とB国の戦争を終わらせるために、C氏は両国の説得に粉骨砕身した。
例文1では、上司から仕事を任された際に、”期待に応えられるよう、力の限りを尽くし一生懸命に努力する”というニュアンスで「粉骨砕身」が使用されています。「粉骨砕身」は例文1のように、仕事等で最大限の努力をすることを誓う時に使用されることが多い表現です。
例文2では、「粉骨砕身」という言葉が使われることによって、練習が厳しいものであったり、その練習に必死になって取り組んでいることを表現することができます。
例文3では、C氏がA国とB国の戦争を終わらせるために、並大抵ではないほどの尽力をしたことが、「粉骨砕身」という表現を使うことによって表現されていますね。
この「粉骨砕身」という言葉は、「努力する」「尽力する」といった言葉よりも、さらに強い程度で努力や尽力を表す表現といえるでしょう。プロ野球元阪神タイガースの藤川球児さんは、座右の銘である「粉骨砕身」の文字をグローブに刺繍しプレーしていたそうです。
「粉骨砕身」の類義語は?
次に、「粉骨砕身」の類義語を紹介します。「粉骨砕身」の類義語は「身を粉にする」「刻苦勉励」「努力する・尽力する」です。それぞれの意味や特徴を把握し、「粉骨砕身」と比較しながら覚えていきましょう。
「身を粉にする」苦労をいとわず一所懸命に働く
「身を粉にする」は「みをこにする」と読む、「苦労をいとわず、一所懸命に働く」という意味の慣用句です。「みをこなにする」とは読まないので注意しましょう。この表現は、”身体が粉になるような苦労をしてでも一所懸命に働く”というニュアンスを持ちます。「粉骨砕身」と同じ漢字を使った表現ですが、特に「粉骨砕身」と意味やニュアンスの違いはありません。
「身を粉にする」も、「努力する」や「尽力する」といった言葉よりも、さらに強い程度で努力や尽力を表す表現です。
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