
3-12、愛は寛容であり、愛は親切です。また人をねたみません
コリントの信徒への手紙一第13章第4節から7節
「愛は忍耐強い。愛は情け深い。ねたまない。愛は自慢せず、高ぶらない。礼を失せず、自分の利益を求めず、いらだたず、恨みを抱かない。 不義を喜ばず、真実を喜ぶ。すべてを忍び、すべてを信じ、すべてを望み、すべてに耐えるもの」
大変有名な愛の賛歌で、現在は寛容が忍耐強い、親切が情け深いと変わっていますが、結婚式などにも使われる名文句で、愛がなければ何も意味がないということでしょう。
キリスト教信者だけでなく、キリスト教文化を知るためにも必要な本
新約聖書は神との新しい契約という意味で、イエス・キリストの教えを弟子たちが手紙や文書で表した、イエスを救世主として認めたキリスト教の正典。
紀元後2,3世紀にギリシア語で書かれ、その後宗教会議で正典とピックアップされた文書で構成され現在の形に。そして、ヨーロッパに普及したのちはラテン語で書かれた聖書をカトリック教会や為政者が独占、ラテン語がわからない一般人は教会でしか聖書の話を聞けず、ただただイエスの受難を悲しんで一日中泣いていたという話もあるそう。そして最初にドイツ語に翻訳したのがマルティン・ルターで、以後次々とその国の言葉で翻訳され、やっと一般庶民が手に取って読めるように。日本では幕末から明治にかけてヘボン博士らが日本語に翻訳。
そういうわけで、聖書を読んだことはなくても、なじみのある名言は多いはずだし、西欧文化ではルネッサンスの美術から文学、音楽に至るまでのモチーフにもなっているため、ギリシア神話と同じく聖書の知識があれば理解が深まるということで、信仰と関係なく西欧世界の歴史や価値観の理解につながる書物として欠かせないものといえるのでは。