

端的に言えば「羊頭狗肉」の意味は「見かけと中身が一致しない」だが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
活字中毒歴40年の長屋創を呼んだ。一緒に「羊頭狗肉」の意味や例文、類語などを見ていくぞ。

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。
ライター/長屋 創
国文学修士ライター。小さい頃から本の虫。最近、読書の天敵である酒をやめた。酒代が節約できると喜んでいたが、その分を本につぎ込むようになったので結局プラマイゼロ。
「羊頭狗肉」の意味は?
「羊頭狗肉」には、次のような意味があります。
見かけや表面と、実際・実質とが一致しないたとえ。良品に見せかけたり、宣伝は立派だが、実際には粗悪な品を売るたとえ。
出典:新明解四字熟語辞典 第二版(三省堂)
見かけは立派であるが、実質が伴わないこと。
出典:四字熟語辞典 第4版(学研)
「羊頭狗肉」は「羊頭を掲げて狗肉を売る」の略で「狗」とは犬のこと。つまり、店頭の看板に羊の頭を掛け「なるほど。この店は羊の肉を売る高級店だな。入ってみるか」と客を呼び寄せておいて、実際は安い犬の肉を売りつける。看板は上等でも売っているものは粗悪品という詐欺まがいの行い。ここから転じて、見かけは立派でも内実が伴わないこと、口先ばかりで見掛け倒し、などの意味で使われるようになりました。古代中国では羊の肉は非常に人気があったようです。なるほど「美」の字にも「羊」が入っていますものね。
問題は羊の肉を売っていると思わせている点なので、「犬食文化のある国なら別にいいじゃん」という言いがかりは一切受け付けませんよ。
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