「一意専心」ってあんまり使う機会のない表現ですね。漢字からは感覚的に、何かに気持ちを集中している様子を想像しますが、実際のところはどうなんでしょうか。
今回はコンビニで弁当を買うだけなのに、いちいち悩んで決められないライター、ぷーやんを呼んです。盲目的に「一意専心」することは危険だ、なんて言い訳がましくうそぶいていたぜ。いったいどういうことなのか、言葉の意味や使われ方から順に説明してもらおうか。
- 「一意専心」の意味から押さえよう!
- 「一意専心」を辞書でみてみよう!
- 「一意専心」の使い方を例文でみてみよう
- 「一意専心」の類義語には何がある?
- 一心不乱:心を乱さずに一つのことに集中する
- 猪突猛進:目標に向かってがむしゃらに進む
- 無我夢中:心を奪われて我を忘れる
- 「一意専心」の対義語3選!
- 右顧左眄(うこさべん):周囲を気にしてなかなか決断しない
- 狐疑逡巡(こぎしゅんじゅん):決心がつかずにぐずぐずする
- 優柔不断:あれこれ悩んで決断が遅い
- 「一意専心」の英語訳は?
- single-mindedly:ただ一つのことに熱心である
- wholeheartedly:心から
- 「一意専心」のメリット・デメリット
- 「一意専心」をよしとするのは杓子定規?
- 「一意専心」と「臨機応変」
- 大事なのはバランス
- なにに「一意専心」するのか見極めが大事
この記事の目次
ライター/ぷーやん
webライター歴6年。鍛えられた語彙と文章力は本業でも発揮され、社内ルールの書き換え担当に。雑音や雑念に気を取られて、思考が散らかることがしばしばある。
「一意専心」を辞書でみてみよう!
辞書で言葉を調べるためには、読み方を間違えないことが必須条件。「一意専心」は「いちいせんしん」と読みます。それでは、辞書で「一意専心」の意味をみていきましょう。
(副詞的に用いて)わき目もふらず心を一つのことだけに注ぐこと。「一意専心環境問題に取り組む」
出典:デジタル大辞泉(小学館) 「一意専心」
意識を統一してがんばっている、ということですね。「一意専心」の由来で有力な説は、古代中国の政治論書『管子』にある、『意を一にし心を摶らにし』です。この書の中では「一意専心」に集中すれば、遠くのものが近くに感じられるほど感覚が研ぎ澄まされると書かれています。
「一意専心」の使い方を例文でみてみよう
言葉の意味を辞書で押さえたら、次は例文で使い方をチェックしましょう。
1.一意専心に勉強に励んできた結果、共通試験でいい結果を得られ、大学の選択肢がひろがった。
2.突拍子もない夢も、足元のことから一意専心に着実に進んでいけば、気づけば目の前までたどり着いているものだ。
3.お客様のご意見・ご要望に一意専心・ひたむきに努力して、いつもお手頃な価格でお届けします。
夢や理想を大きく掲げることは大切なことです。しかしそれだけで終わらずに、大きな目標に向かうために今できることを見つけて、一意専心にやりつづけることが成功の秘訣。
例文1と2は、そうしたことを示しています。しかしずっと遠くばかりを見ていると、現実とのギャップが目につきすぎて嫌になってしまうもの。夢は持ちつつも今できることにのみ集中するという、こころのバランスの取り方を身に付けたいものですね。
一心不乱:心を乱さずに一つのことに集中する
一度は聞いたことのある言葉ではないでしょうか。『一心不乱に○○する』のように使いますね。
猪突猛進:目標に向かってがむしゃらに進む
わきめもふらずに進む様を、イノシシがまっすぐ突進する姿に例えた言い方です。周囲を顧みない姿勢に、呆れて発せられることもしばしばですね。
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無我夢中:心を奪われて我を忘れる
こちらも耳になじみのある表現ではないでしょうか。「無我」とは仏教用語で、すべてのものはなにかとのつながりで形作られており、独立して不変な『我は無い』ということ。そこから、自分を忘れて夢中になることを「無我夢中」と言います。
「一意専心」の対義語3選!
類義語の次は、対義語をみてみましょう。
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