

端的に言えば瓜田李下の意味は「人に疑われるようなことはしないほうがよい」だが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
10数年間、中高生に学習指導をしているライターヤマトススムを呼んだ。一緒に「瓜田李下」の意味や例文、類語などを見ていくぞ。

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/ヤマトススム
10数年の学習指導の経験があり、とくに英語と国語を得意とする。これまで生徒たちを難関高校や難関大学に導いてきた。
「瓜田李下」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「瓜田李下(かでんりか)」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。稀に「李下瓜田」と二字ずつを入れ替えた形で出てくることがありますが、意味は全く同じです。
「瓜田李下」の意味は?
「瓜田李下」には、次のような意味があります。もともと中国で古い時代に生まれた言葉ではありますが、現在の日本でも使う場面たくさんありますよ。
1.人に疑念を抱かせるような言動は慎むべきであるという戒めの語。また、人に嫌疑を抱かせるような言動のたとえともなる。
出典:新明解四字熟語辞典(三省堂)
「瓜田李下」は疑われるような言動は慎むべきという意味で、さらにいうと、周りからどう見えるかということを自分の意志よりも優先したほうがよいときがあるということです。
知らないうちに疑われているのも困りますし、一旦疑われてから誤解を解くのは時間もエネルギーも必要になります。それならば、当初は多少不自由であっても、周囲の目を配慮した言動を心がけたほうが長い目で見れば有効ということですね。
「瓜田李下」の語源は?
次に「瓜田李下」の語源を確認しておきましょう。もともとは中国で生まれた言葉で、古楽府の君子行には、次のように書かれています。
「君子は未然に防ぎ、嫌疑の間に処(お)らず。瓜田に履(くつ)を納(い)れず、李下に冠(かんむり)を正さず。」
この意味は、「君子は疑いをかけられるようなことは未然に防がなければならない。瓜畑でかがんで靴を履き直すと瓜を盗んでいると疑われるかもしれないし、すももの木の下で冠をかぶり直すとすももを盗んでいると疑われる可能性があるので、こうした行動は避けねばならない。」というものです。
人の上に立つ人や有名人などは多くの人に行動をよく見られているので、とくに注意が必要なのでしょうね。しかし、今の時代は、いつでもどこでも写真や動画を撮ることができるので、そういう意味では誰もが昔よりもずっと気をつけなければならない時代かもしれませんね。
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