壊血病とはどんな病気?その歴史も合わせて現役講師がわかりやすく解説!
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ビタミンCが不足すると正常なコラーゲンをつくることができず、真皮や血管、骨などの構造維持に支障が出てきます。血管が破れやすくなって出血したり、骨が折れやすくなるのはこのためなのです。
壊血病の歴史
ビタミンや栄養素についてまだよくわかっていなかったころ、壊血病は治療方法の分らない病気として多くの人を悩ませていました。とくに影響が深刻だったのが、遠方へ航行する船の乗組員たちです。
冷蔵庫や冷凍技術といったものがない時代。長旅であればあるほど、生野菜や果物といった新鮮な食材を保存できなくなります。船上でビタミンC不足に陥った船員たちは次々と倒れていきました。
一説によると、大航海時代には壊血病で200万人もの船乗りが犠牲になったといわれています。またビタミンCだけでなく、それ以外のビタミンも不足しがちでした。ビタミンB1不足による脚気や、ビタミンB3不足によるナイアシン欠乏症(ペラグラ)など、それぞれのビタミン不足による病気が発症し、航海中に命を落とすことは珍しくなかったようです。
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解決の兆しが見つかったのが、18世紀の半ば頃。イギリス海軍省ではたらいていたスコットランド出身の医師ジェームズ・リンドが、新鮮な野菜や果物を食べている船員ほど壊血病になりにくいことをまとめ報告します。
その当時はまだビタミンという物質が知られていない時代でしたので、野菜や果物に含まれる何が壊血病に効くのか、というところまでは知られていません。それでも、柑橘類のジュースを用意したり、食卓に生野菜を載せるようにしたことで、壊血病にかかる船員は減っていきました。
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壊血病に効果がある物質が判明したのは、なんと大航海時代から数百年もたった1932年のこと。その5年前(1927年)に発見されていた柑橘類中に含まれる物質が、壊血病を防いでいることがわかったのです。ビタミンCとよばれるようになったこの物質は、1933年には人工的に合成されるまでに研究がすすみました。
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