1ついさっきまで分厚いステーキを食べていたんだけれど、目が覚めたら消えていた。あれは夢の中の出来事だったみたいだ。まるで胡蝶之夢だなあ。
2人生なんて胡蝶之夢みたいなものだ。苦労を重ねてようやく成功をつかんだ彼も、その後あっという間に亡くなってしまった。
1は夢か現かはっきりわからないさまについての例文です。夢の中の出来事をまるで現実のように感じていました。ところが目を覚ましてみるとそれが現実ではありません。にもかかわらず、まだそれが本当に夢だったのか現実だったのか境界がぼんやりとしている状態を指しています。
2は人の世がはかないこと、人生がはかないことのたとえについての例文です。どれだけ苦労してつかんだ成功でも、亡くなってしまっては当人が実感することは出来ません。成功が一瞬にして消えてしまうはかなさを「胡蝶之夢」に重ねています。
夢か現か:夢なのか現実なのかわからないさま。
白昼夢:日中、目覚めている状態で、空想や想像を現実に起きているように感じること。そういった幻想にふけること。
盛者必衰:じょうしゃひっすい。勢いのある者も必ずいつか衰えるということ。
栄枯盛衰:えいこせいすい。栄えることと衰えること。世の中はそれを繰り返すということ。
ほかにも、特に「胡蝶之夢」と似通った表現がありますので詳しく解説します。
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