この「遺憾の意」は、どんな意味なのか。「謝罪」とは違うのか、この用語を使う人はどんな気持ちなのか。
活字系メディアで長年執筆してきたライター・吹雪猛に解説してもらう。一緒に「遺憾の意」の曖昧さや使う時の心理を見ていきます。
ライター/吹雪猛
長年、活字メディアで記事の執筆・編集に携わり、このたびフリーライターに。とことん調べないと気が済まない体質らしい。
「遺憾(いかん)」の意味は「残念」や「心外」
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「遺憾の意」という言葉は、そもそも漢字が難しいですね。「遺憾」の「遺」は「遺物」や「遺言」に使われる「遺す」(亡くなったときに物やお金を置いておく。後世に伝える)。「憾」は「憾(うら)み」とも読み、「心残り」「残念に思う」などの意味があります。
まず辞書で「遺憾」「遺憾の意」の意味を調べてみましょう。
[名・形動]期待したようにならず、心残りであること。残念に思うこと。また、そのさま。「遺憾の意を表する」「万遺憾なきを期する」
引用:デジタル大辞泉「遺憾」
〘名〙 (形動))思い通りにいかないで、心残りなこと。また、そのさま。残念。釈明や非難をする場合にも用いる。
引用:精選版 日本国語大辞典「遺憾」
残念であるという気持ちのこと。「遺憾の意を表する」などという具合に使う。通常、相手の行動が期待外れであったり心外であったりして残念である、という相手に対する非難の気持ちも含んでいる。
引用:実用日本語表現辞典「遺憾の意」
「遺憾」や「遺憾の意」は、「残念に思う」ことや「心外に思う」ことです。使われている漢字を「憾(うら)みを遺す」と解釈すれば、「残念」や「心外」な気持ちが、心に強く残っている印象がありますね。
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