

端的に言えば「遺憾の意」の意味は「残念に思う気持ち」だが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
現役塾講師で文系科目のスペシャリストである「すけろく」を呼んだ。一緒に「遺憾の意」の意味や例文、類語などを見ていくぞ。

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/すけろく
現役文系講師として数多くの生徒を指導している。その豊富な経験を生かし、難解な問題を分かりやすく解説していく。
「遺憾の意」の意味は?
「遺憾の意」には、次のような意味があります。
遺憾(いかん)【名】【形動】
思っているようにならなくて心残りであること。残念な、そのさま。
出典:大辞林 第三版(三省堂)「遺憾」
上で引用した「遺憾」の語義に「気持ち」を表す「意」をつなげてみましょう。そうすれば、「遺憾の意」が「残念に思う気持ち」や「心残りに思う気持ち」であることが分かります。
ただし、この「遺憾の意」を自分自身に対して用いるか、相手や第三者に対して用いるかによって大分ニュアンスが異なってくるので注意が必要です。
自分の行ってしまった行為に対して「遺憾の意」を示せば、それは反省や謝罪のニュアンスを帯びることになります。一方、相手の行為に対して用いれば、それは非難の気持ちだと受け取られかねません。
「遺憾の意」の語源は?
「遺憾の意」の「遺憾」という熟語についてさらに詳しく見てみましょう。この熟語は「遺」と「憾」という二つの漢字から成り立っています。それぞれの漢字はいったいどういう意味を表しているのでしょうか。
最初の「遺」には、「あとに残す」という意味があります。「遺書」や「遺跡」といった他の熟語を思い浮かべてみると分かりやすいでしょう。
一方の「憾」には、「残念に思う」という意味があります。つまり、これら二つを合わせれば「残念に思う気持ちが後に残る」となるわけです。
次のページを読む